社会

エコノミスト・門倉貴史「オヤジの裏テク錬金手帳」~趣味と実益を兼ねた理想の副業 「ゲーム実況」で一儲け~

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 青春時代に「ギャラガ」や「ドンキーコング」、「スーパーマリオブラザーズ」といったゲームにハマッた経験のあるオヤジは多いのではないか。現在進行形で子供と一緒にゲームを楽しんでいる人もいるだろう。そんな「ゲーマー」オヤジにオススメの副業がある。

 それがゲーム実況だ。

 ゲーム実況とは、プレイヤーがゲームをしながら、「ニコニコ動画」や「YouTube〈ユーチューブ〉」などの動画共有サイトで実況コメントするビジネスのこと。リアルタイムで行う実況配信と、録画・加工して投稿する実況動画の2種類がある。

 きっと「ただゲームをしているだけでお金儲けができるはずない!」と思うだろう。確かに普通「ゲーム」は収入増加どころか収入の減少につながることが多い。している時間だけ働く時間が減少するし、やり過ぎで本業の仕事の効率にも影響が出るからだ。平均的に1分間のゲームをするだけで、収入は0.4%減少するといった調査報告もある。ゲーム実況は、「ゲームは収入にマイナス」というこれまでの常識を覆す、画期的なビジネス。だからこそ、オヤジの副業としてオススメなのだ。

 人間にとっての理想の労働は自分のやりたいこと、好きなことがそのまま生活の糧になるケースだが、そうなることは非常に少ない。絵を描くことが好きだからといって、誰もが画家になれるわけではないのと同じだ。ゲーム実況は趣味と実益を兼ねた理想の副業でもある。では、なぜゲーム実況はビジネスとして成り立つのか? 大きな背景としてゲーム人口やゲーム市場が急拡大していることがある。2013年の日本のゲーム産業の売上高は国内が8423億円、海外が1736億円で、全体では1兆円を突破した。04年の売上高が579億円だったので、9年間で17.5倍の規模に拡大した計算になる。

 市場が拡大する中、攻略法を知りたいビギナーが増えた。また、現在のゲームはビジュアル的に動画がきれいなので、純粋にゲームの流れを見たいというゲーマーも増えている。ゲーム実況はそうしたニーズに応えることができる。

 実は、ゲーム実況の動画にはゲーム関連会社の広告がつくようになっており、視聴者がその実況動画をクリックすると、それが実況投稿者の広告料収入になる仕組みとなっている。実況動画にゲーム会社が広告を出すのは、多くのゲーマーが視聴しているので、広告・販促効果が大きいという理由からだ。1回のクリックで入ってくるお金はたったの0.1円ぐらいだが、人気投稿者になると、1日に何十万回も再生されるので、年収が楽に1000万円を超える。スウェーデンにはYouTubeへのゲーム実況投稿を通じて年間約4億円ものお金を荒稼ぎする実況プレイヤーがいるという。この副業は名声を手に入れることも可能だ。実況プレイヤーとしての知名度が上がってくると、ゲーム関連のイベントに呼ばれるようになり、女性ファンが大勢詰めかけるなどアイドル並みの人気が出てくる。

 ただ、どのようなビジネスでも最初のうちは利益が出やすいが、そのビジネスが世間に広く知れ渡ると、参入者が増加し、競争が激しくなってくるため、収入に結びつかなくなる。オヤジがゲーム実況の副業を始めるなら「今でしょ!」。

◆プロフィール 門倉貴史(かどくら・たかし) 71年生まれ。95年慶應大学経済学部卒業後、銀行系シンクタンク入社以来、エコノミスト畑を歩む。現在、BRICs経済研究所代表。専門は先進・新興国経済、地下経済、労働経済学、行動経済学と多岐にわたる。

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