2025年7月に開業予定の大型テーマパーク「ジャングリア沖縄」。沖縄北部の今帰仁村と名護市にまたがる広大な敷地に建設され、多くの観光客の来訪が見込まれている。
ところがその一方で、周辺の宿泊施設の不足や交通渋滞の発生、地元住民の生活環境への影響を懸念する声が上がっているのだ。
ジャングリア沖縄が立地する沖縄本島北部は、那覇市や恩納村と比較して、ホテルの数が少ない。現在の宿泊施設では、開業後に増加する観光客を十分に受け入れることが難しいとの指摘があるのもうなずける。
地元住民にとっても、影響は小さくない。那覇市の不動産業者が分析する。
「特に地元の人が遊びに行く際、深刻な渋滞が予想されます。ジャングリア沖縄の入場料は国内在住者で大人6930円、小人4950円と、ディズニーランドやUSJに比べると割安ですが、沖縄の平均給与を考えると割高という声は少なくありません。地元の人は日帰りになるケースが多いでしょう」
テーマパークの開業により、交通量の増加は避けられない。特に那覇市からジャングリア沖縄へ向かうルートは国道58号しかなく、観光客によるレンタカーの増加やシャトルバスの運行によって、さらなる渋滞が発生する。
加えて渋滞の影響は観光客のみならず、県内のビジネスや親族訪問にも及ぶ可能性が出てくる。現状の交通インフラでは、観光需要の急増に対応しきれないとの見方があるのだ。
ジャングリア沖縄の開業は、地域経済にとって大きなメリットとなることは間違いないものの、宿泊施設不足や交通渋滞、地元住民の生活環境の変化など、解決すべき課題は多い。自治体や運営会社は宿泊施設の拡充や交通インフラの整備とともに、住民との対話を重ねながら、観光と地域住民の共存を図ることが求められよう。