スポーツ

日本プロレス史「“10大”伝説のガチンコ試合」(1)ケンカマッチの“限度”

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 日本のプロレス史は、力道山が国民的な英雄に君臨した50年代から始まった。そして同時に、木村政彦との一戦を端緒として「ガチンコか? 八百長か?」の論争も幕を開けた。今回、女子プロレスで久々に勃発した「凄惨マッチ」を機に、歴史的な「ガチンコ勝負」を、目撃者の証言を軸に検証する──。

「私だってケンカマッチは何度かあった。でも、相手を病院送りにはしていない。プロの試合をやっていれば不可抗力のケースもあるけど、ただ、3カ所(頬骨、鼻骨、左眼窩底)の骨折はダメだね。やりすぎだったと思う」

 女子プロレスで“最強”の称号を誇る神取忍は、シビアな判断を下す。問題の一戦となったのは、女子プロレス団体・スターダムにて2月22日に行われた世IV虎〈よしこ〉vs安川惡斗〈あくと〉のタイトルマッチ。

 序盤から反則とされるグーパンチを繰り出した安川に対し、王者・世IV虎の怒りが爆発。もともと2人の仲が悪かったこともあり、壮絶な「返り討ちパンチ」の雨を降らせ、TKOに追い込んだ。

 プロレス評論家のターザン山本氏が分析する。

「元女優の安川は、大して強くないのに仕掛けていった。世IV虎にすれば、プロレスラーが持っているプライドが爆発して、コントロールが効かない攻撃に転じたんだと思う」

 元女優である安川の美貌が原形をとどめないほどに崩壊し、プロレス雑誌の表紙を飾るほどの“事件”となった。安川は入院を余儀なくされ、世IV虎は謝罪会見を開いたが、まだまだ余波は続きそうである。

 この一戦は「16年ぶりのシュート」と評された。シュートとは、ガチンコやセメントマッチと同じくプロレス界の隠語であり、一定の取り決めを逸脱した“真剣勝負”のことを指す。

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