スポーツ

日本プロレス史「“10大”伝説のガチンコ試合」(2)“小川 VS 橋本”の裏側

20141126logo

 そして、16年前の一戦とは、99年1月4日・新日本プロレスの東京ドームで組まれた小川直也vs橋本真也のことである。

 小川はアントニオ猪木が率いた新団体「UFO」のエースとして新日本に乗り込む。試合前から漂っていた不穏な気配は、開始ゴングとともにあらわとなった。

 小川は左ストレートや右のジャブを橋本の顔面に入れて、さらに馬乗りになってパンチを叩き込み、後頭部に蹴りを入れるなど暴走。試合がノーコンテストに終わると、小川はマイクを持って、

「おいおい、もう終わりか。新日本プロレスのファンの皆様、目を覚ましてください!」

 当時、新日本の取締役として数々のビッグマッチを実現させた永島勝司氏が“舞台裏”を明かす。

「あの試合は、厳密にはガチンコじゃないよ。小川が仕掛けたわけじゃないんだから」

 その黒幕は──やはり、猪木であった。同じ日に猪木が毛嫌いする大仁田厚が参戦することにも腹を立て、小川に「そういう試合をしろ」と耳打ちした。

「それでも、小川は完全なガチンコには走っていない。橋本の腕を取っても、伸ばして極〈き〉めるとこまではいってないんだから。試合後に電話で話したら、小川も完全なシュートは否定していたし」(永島氏)

 永島氏の目には、橋本が勝手におびえただけと映った。また猪木にコトの真相を問いただすと、意外な反応だったという。

「猪木会長は『小川があそこまでやるとは思っていなかった』と困惑していたね。そうした食い違いはあったけど、あの遺恨がビジネスとして成り立ったのは事実だよ」(永島氏)

 2人は再戦を経て、タッグ結成という意外な展開を見せた。

 さて、仕掛人である猪木にも“ガチンコ伝説”は数多いが──、

「1つ選ぶなら77年12月8日、蔵前国技館におけるアントニオ猪木vsグレート・アントニオですよ」

 そうターザン氏が、絶賛する理由とは?

 猪木と対戦したグレート・アントニオは、力道山全盛時代の61年に初来日し、満員のバス3台を引っ張る怪力デモンストレーションで注目を浴びた。

「ただし、巨体なだけでレスラーとしての実力は低い。とはいえ、国技館という大会場で、メインに呼んだ相手の顔面をボコボコに蹴って戦意喪失に追い込むんだから、猪木さんにしかできない芸当」(ターザン氏)

カテゴリー: スポーツ   タグ: , , , ,   この投稿のパーマリンク

SPECIAL

アサ芸チョイス:

    ゲームのアイテムが現実になった!? 疲労と戦うガチなビジネスマンの救世主「バイオエリクサーV3」とは?

    Sponsored

    「働き方改革」という言葉もだいぶ浸透してきた昨今だが、人手不足は一向に解消されないのが現状だ。若手をはじめ現役世代のビジネスパーソンの疲労は溜まる一方。事実、「日本の疲労状況」に関する全国10万人規模の調査では、2017年に37.4%だった…

    カテゴリー: 特集|タグ: , , , |

    藤井聡太の年間獲得賞金「1憶8000万円」は安すぎる?チェス世界チャンピオンと比べると…

    日本将棋連盟が2月5日、2023年の年間獲得賞金・対局料上位10棋士を発表。藤井聡太八冠が1億8634万円を獲得し、2年連続で1位となった。2位は渡辺明九段の4562万円、3位は永瀬拓矢九段の3509万円だった。史上最年少で前人未到の八大タ…

    カテゴリー: エンタメ|タグ: , , , |

    因縁の「王将戦」でひふみんと羽生善治の仇を取った藤井聡太の清々しい偉業

    藤井聡太八冠が東京都立川市で行われた「第73期ALSOK杯王将戦七番勝負」第4局を制し、4連勝で王将戦3連覇を果たした。これで藤井王将はプロ棋士になってから出場したタイトル戦の無敗神話を更新。大山康晴十五世名人が1963年から1966年に残…

    カテゴリー: エンタメ|タグ: , , , , , |

注目キーワード

人気記事

1
3Aで好投してもメジャー昇格が難しい…藤浪晋太郎に立ちはだかるマイナーリーグの「不文律」
2
高島礼子の声が…旅番組「列車内撮影NG問題」を解決するテレビ東京の「グレーゾーンな新手法」
3
あの「号泣県議」野々村竜太郎が「仰天新ビジネス」開始!「30日間5万円コース」の中身
4
「致死量」井上清華アナの猛烈労働を止めない「局次長」西山喜久恵に怒りの声
5
皐月賞で最も強い競馬をした3着馬が「ダービー回避」!NHKマイルでは迷わずアタマから狙え