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Posted on 2025年04月12日 17:56

新日本プロレスVS全日本プロレス<仁義なき50年闘争史>「3年半の時を経て新日本と全日本が国交回復!」

2025年04月12日 17:56

 新日本プロレスと全日本プロレスの関係が良好だったのは、2013年1月4日の新日本の東京ドームに全日本の会長でもある武藤敬司が出場したところまで。

 その1カ月後に全日本の新たなオーナーになった白石伸生がSNSで「新日本は演劇だが、全日本はガチンコプロレスを目指す」などと発信したことで両団体の国交は閉ざされた。

 白石のやり方に反発した武藤は、ほとんどの選手を連れて同年9月に新団体W-1を旗揚げ。白石・全日本は1年弱しかもたず、秋山準がオールジャパン・プロレスリング株式会社を新たに設立して全日本は新体制になったが、両団体が再び交流するようになるには実に3年半の時を要した。

 そのきっかけになったのは16年7月20日に後楽園ホールで新日本の主催として開催された「スーパーJカップ2016」。「スーパーJカップ」は94年に初開催されたジュニア・ヘビー級の選手たちの団体枠を超えたトーナメントで、毎回、主催団体が変わるのが特徴。16年大会は7年ぶりの開催となり、新日本プロレスとプロレスリング・ノアが共同主催したもので、ここに全日本の若手の青柳優馬が社長の秋山に参戦を直訴。秋山が全日本代表として送り出し、新日本&ノアが快く受け入れたのである。

 元全日本のタイチに惨敗した青柳は、他団体の選手にも門戸を開放する新日本の若手育成プロジェクト「ライオンズゲート」に参戦。キャリア3年弱ながらタッグで邪道&外道、天山広吉&小島聡のテンコジ、シングルでYOSHI-HASHI、永田裕志と対戦する機会を得た。

 新日本の選手が久々に全日本のリングに上がったのは、17年7月5日の新木場における「グローイングアップ」という大会。新日本の「ライオンズゲート」と同様に全日本の若手育成のための大会で、ここにヤングライオンの岡倫之(現グレート-O-カーン)と北村克哉が参戦して秋山&大森隆男にアタック。

 岡&北村の入場には「ワールド・プロレスリング」のテーマが使用され、セコンドには川人拓来(現マスター・ワト)、海野翔太、八木哲大、デビューしたばかりの成田蓮が付いた。試合は秋山が、専修大学レスリング部の後輩にあたる北村をエクスプロイダーで仕留めたが、セコンドのヤングライオンが熱くなってエプロンに駆け上がり、対抗戦スタートを予感させた。

 おそらく秋山は「点」を「線」につなげて若手の対抗戦に持ち込みたかったと思われるが、全日本の若手が踏みとどまってリングに上がらなかったため、「若い奴らで火をつけろって。今日はそういう意味だよ。感じ取れ!」と激怒。結局、対抗戦に突入することはなかった。

 その後の両団体のかかわりは、同年8月27日の両国における全日本45周年記念大会で青柳が「スーパーJカップ」の雪辱を期してタイチにアタック。タイチ式ラストライドで返り討ちにあってしまったが、久々に古巣に参戦したタイチは「あの若いのは、このバカ団体よりはちょっとぐらい、いいんじゃねぇか?」と独特の表現で健闘を称えた。

 また諏訪魔は小島聡と一騎打ち。10年4月に全日本を退団してフリーを経て古巣の新日本に復帰した小島だが、全日本を退団する際に諏訪魔が別れの握手を拒否したという過去もあり、注目された一戦。しかしジョー・ドーリングが乱入して、諏訪魔を襲うというハプニングの上で小島が勝利という不本意な結果に。

 この乱入劇に新日本が態度を硬化させ、再開されるはずの対抗戦、交流戦が頓挫したと言われている。

 翌19年2月3日の全日本の横浜文化体育館大会に永田が参戦。秋山とコンビを結成し、野村直矢&崔領二との王座決定戦に勝利して第104代アジア・タッグ王者に。7.29大阪で青柳&野村に敗れて陥落するまで、永田は全日本に上がって防衛戦を続けた。

 この永田参戦は団体同士のビジネスというよりも、かつて新日本とプロレスリング・ノアの壁をぶち破って両団体の懸け橋になった、秋山と永田の個人的な結びつきから実現の運びになったと思われる。

 1年後の全日本20年2.11後楽園に、引退を11日後に控えた中西学が参戦して秋山&西村修、吉江豊とカルテットを結成したが、秋山の専修大レスリング部の先輩・中西に対するはなむけで、両団体間に何かが生まれたわけではなかった。

 時間を戻すと、19年2月19日に両国国技館で開催された「ジャイアント馬場没20年追善興行」では、三冠王者・宮原健斗と棚橋弘至のタッグ対決(宮原&関本大介VS棚橋&ヨシタツ)が実現。宮原がヨシタツに勝った後、宮原の「プロレス、最高ですかー!」に続けて棚橋が「愛してまーす!」と、2人の決めゼリフの共演で大会はハッピーエンドに。また大会前にはアントニオ猪木が挨拶。それは馬場と猪木のBI対立時代、両団体の興行戦争ははるか昔だと実感させる感動的なシーンでもあった。

小佐野景浩(おさの・かげひろ)元「週刊ゴング編集長」として数多くの団体・選手を取材・執筆。テレビなどコメンテーターとしても活躍。著書に「プロレス秘史」(徳間書店)がある。

写真・山内猛

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