スポーツ

東京六大学に続いて高校野球でも検討「ビデオ検証」導入で映像設備の予算は誰が出すのか問題

「ビデオ検証」は是か非か。プロ野球で導入されているこのシステムは、判定通りになることがあれば、覆るシーンもたくさん見てきた。4月17日のヤクルト×阪神戦では、いったんは「セーフ」と判定された二塁盗塁が、ビデオ検証のリクエストによって覆っている。

 審判団が一時的にグラウンドを去ることには、違和感がなくなってきた。しかし今春から東京六大学リーグで導入された「ビデオ検証」は、「慣れ」のひと言では片付けられないようだ。

「開幕カードの5試合で、2回のビデオ検証要求がありました。うち1回は判定が覆っています」(アマチュア野球担当記者)

 微妙な判定をビデオで検証したならば「たとえ自身に不利な結果になってもスッキリする」と前向きな声もあれば、「学生野球で審判団への抗議は失礼」との意見も聞かれた。アマチュア野球担当記者が続ける。

「日本高野連もビデオ検証の導入を検討している。先駆けて導入した東京六大学リーグでどんな影響が出るのか、関係者は注視しています」

「スッキリする」ことを前提に考えれば、トーナメント方式の高校野球に、むしろビデオ検証が必要だろう。高校野球は「負けたら、それでお終い」である。

「2023年、夏の甲子園大会で慶應高校が優勝しました。でも神奈川県大会の決勝では、対戦相手の横浜高校が勝っていたと、今も言われています。ビデオ映像では併殺プレーが成立してゲームセットになったように思えますが、塁審は二塁ベースカバーに入った横浜高校の遊撃手が『ベースを踏んでいない』と判断。試合再開後に慶應高校が逆転勝ちして、甲子園に駒を進めました」(前出・アマチュア野球担当記者)

 一戦必勝の高校野球においてはやはり、両校が納得するジャッジが求められる。

「高野連は地方大会の1回戦から甲子園の決勝戦まで、同じルールでやりたいと考えています。そうなると、地方のローカル球場にも映像設備を用意しなければなりません」(高校野球関係者)

 その予算はどこから捻出されるのか。「プロ野球の地方巡業が広がれば」と期待する声があるのは事実。微妙な判定をなくすには、かなりの時間がかかりそうだ。

(飯山満/スポーツライター)

カテゴリー: スポーツ   タグ: ,   この投稿のパーマリンク

SPECIAL

アサ芸チョイス:

    医者のはなしがよくわかる“診察室のツボ”<マイクロスリ―プ>意識はあっても脳は強制終了の状態!?

    338173

    昼間に居眠りをしてしまう─。もしかしたら「マイクロスリープ」かもしれない。これは日中、覚醒している時に数秒間眠ってしまう現象だ。瞬間的な睡眠のため、自身に眠ったという感覚はないが、その瞬間の脳波は覚醒時とは異なり、睡眠に入っている状態である…

    カテゴリー: 社会|タグ: , , , , |

    医者のはなしがよくわかる“診察室のツボ”<紫外線対策>目の角膜にダメージ 白内障の危険も!?

    337752

    日差しにも初夏の気配を感じるこれからの季節は「紫外線」に注意が必要だ。紫外線は4月から強まり、7月にピークを迎える。野外イベントなど外出する機会も増える時期でもあるので、万全の対策を心がけたい。中年以上の男性は「日焼けした肌こそ男らしさの象…

    カテゴリー: 社会|タグ: , , , , , |

    医者のはなしがよくわかる“診察室のツボ”<四十肩・五十肩>吊り革をつかむ時に肩が上がらない‥‥

    337241

    最近、肩が上がらない─。もしかしたら「四十肩・五十肩」かもしれない。これは肩の関節痛である肩関節周囲炎で、肩を高く上げたり水平に保つことが困難になる。40代で発症すれば「四十肩」、50代で発症すれば「五十肩」と年齢によって呼び名が変わるだけ…

    カテゴリー: 社会|タグ: , , |

注目キーワード

人気記事

1
「京都崩壊」の信じがたい現実…外国人観光客専用都市に激変した「不気味な風景」
2
「致命的ミス」巨人・リチャードに阿部監督が怒りの2軍通告!でも解説者2人は「?」反応
3
さだまさしが今明かす「借金28億円と返済地獄30年」の「コンサート年間186本」究極生活
4
山尾志桜里の「公認取り消し」騒動を起こした玉木雄一郎は「榛葉幹事長人気に焦った」って!?
5
フジテレビ・山本賢太アナが行方不明に!? 「代役」登場と「謎のテロップ」