NHKマイルCは、JRAの芝中距離主流血統であるサンデーサイレンス系の要素が薄い血統馬のほうが走りやすいレース。ここ数年も父と母父のどちらも非サンデー系の好走が目立ちます(出走馬の血統系統は「スマート出馬表」を参照してください)。
【21年】1着のシュネルマイスターは持ち込み馬。父も母父も欧州型です。3着のグレナディアガーズも外国産馬で、父が欧州型、母父は米国型です。
【22年】1着のダノンスコーピオンも父が欧州型。母父は米国型です。
【23年】9番人気で1着のシャンパンカラーは、父も母父も欧州型。8番人気で2着のウンブライルも、父も母父も欧州型です。
【24年】1着のジャンタルマンタルは米国産馬で父も母父も米国型。10番人気で3着のロジリオンも父が欧州型で母父が米国型です。
ちなみに、21年以降に父と母父のどちらも非サンデー系で馬券になったのは7頭。そのうち6頭は父か母父が欧州型です。
米国血統で相性がいいのは、米国型のノーザンダンサー系。22年には18番人気のカワキタレブリーが3着、23年3着のオオバンブルマイは父が米国型ノーザンダンサー系。この米国型ノーザンダンサー系は、NHKマイルCが設立された当初から相性のいい血統になります。
戦歴の傾向は、前哨戦であるニュージーランドトロフィーやアーリントンカップ(今年からチャーチルダウンズカップ)を含め、前哨戦の結果は繋がりません。前哨戦と本番では求められる能力の方向性が相反する部分もあるからです。
過去5年で馬券になった馬も、15頭中11頭が前走で2〜5着に惜敗していた馬。前哨戦では適性が向いていなかった馬のほうが本番で上昇する確率は上がるのです。
今年出走を予定しているマピュースの父は、米国型のマインドユアビスケッツ。母父は欧州型のシンボリクリスエス。当レースにマッチする父も母父も非サンデー系の配合馬です。
父マインドユアビスケッツの国別血統タイプと系統は、前記したように開設当初から大穴を連発する米国型ノーザンダンサー系で、ヴァイスリージェント系。
母母父はフレンチデピュティ。NHKマイルCに最も強い種牡馬で、勝ち馬を複数出していて、孫も優勝。産駒が1、2着を独占した年もあります。
亀谷敬正(かめたに・たかまさ)テレビ、専門誌などでカリスマ的人気の血統馬券師。HPはhttp://www.k-beam.com 推奨レース、期待値の高いデータ満載の出走表も配信中。著書「フォーメーションと合成オッズを使いこなして効率的に馬券で儲ける方法」(オーパーツ・パブリッシング)ほか多数。