6月15日のWIN④パラダイスSは、近走成績を素直に評価したい一戦。同年にJRAのオープンクラスのレースで「着順が8着以内、かつ4角通過順が7番手以内」となった経験のない馬は、22年以降〈0 0 1 22〉とあまり上位に食い込めていません。条件クラスを勝ち上がったばかりの馬、大敗続きの馬、先行力が高くない馬は疑ってかかるべきでしょう。
WIN⑤の宝塚記念は、血統がポイント。ステイゴールド系種牡馬の産駒は21年以降〈0 1 0 7〉、ディープインパクト系種牡馬の産駒は21年以降〈0 0 2 14〉、ミスタープロスペクター系種牡馬の産駒は21年以降〈1 0 1 13〉と、それぞれ安定感を欠いていました。
なお、父がステイゴールド系、ディープインパクト系、ミスタープロスペクター系の種牡馬だった馬のうち、同年のJRAGⅠを勝っていない馬は21年以降〈0 1 0 33〉。よほど波に乗っている馬でないかぎり、これらの父系に属する種牡馬の産駒は割り引きが必要です。
あとは臨戦過程もしっかりチェックしておきたいところ。前走の着順が3着以下・競走中止だった馬は、21年以降〈0 2 1 38〉と苦戦しています。ちなみに3着以内となった3頭は、いずれも前走がJRAGⅠの2400メートル未満だった馬。今年は前走連対馬と、大阪杯からの直行組を重視するべきでしょう。
さらに、前走が国外のレースだった馬を除く21年以降の3着以内馬10頭中9頭は、前走の4角通過順が6番手以内でした。
特別登録馬のうち、これらの条件をきれいにクリアしているのは、ベラジオオペラとレガレイラの2頭だけ。いずれも阪神芝・内回りのコース形態が合っていそうなタイプですし、実績面を含めて大きな不安要素が見当たりません。
伊吹雅也(いぶき・まさや)「JRAホームページ」「グリーンチャンネル」ほか、さまざまなメディアに活躍の場を広げている新進気鋭の競馬評論家。新刊「ウルトラ回収率2025-2026(競馬王馬券攻略本シリーズ)」(ガイドワークス)が好評発売中。