大相撲夏場所が終盤に入った。10日目まで大の里が10連勝でトップを走り、豊昇龍、若隆景ら4力士が追走。相撲ライターが言う。
「小結・若隆景が大関への足掛かりとなる10勝に向け、とりあえずは勝ち越した。三役での勝ち越しは一昨年の初場所以来です。今場所の若隆景は足の大ケガをする前の状態に戻っている。ひょっとすると、10勝どころか12勝くらいするかもしれません」
その若隆景自身は「体の動きはいい」と手応えを感じ、好調を認めている。
10日目の安青錦との一番では、互いに低く頭をぶつけ合い、回転のいい突っ張りを下からあてがって、勝機をうかがった。そして一瞬のスキを逃さず、相手の上体を起こして体を開いた。先の相撲ライターがこれを評するには、
「低い態勢からの攻防、鋭い技と天性の相撲勘。これは優勝した時の好調ぶりと同じです。大の里だって撃破する可能性がある。ということは、優勝候補の一角ですね。ちなみに琴桜と対戦して大ケガした時、取り直しとなって再度の対戦で破っている。こんな根性のある力士はなかなかいませんね」
台風の目となって波乱を起こせるか。
(蓮見茂)