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横浜F・マリノス「J2降格まっしぐら」の元凶は「実績ゼロの無能監督」を送り込む「大株主CFG」

 あぁ、ついに6連敗…。

 最下位の横浜F・マリノスは第17節、ホームで3位の京都サンガに0-3で敗れ、これで10試合勝ちなし。試合後には、サポーターが居残り抗議をするようになった。

 今季のマリノスは最終ラインの主力選手が数多く移籍したとはいえ、メンバーだけを見れば、最下位にいるチームではない。では、何が原因か。ズバリ、監督の問題である。

 マリノ5スは今季、イングランド人のスティーブ・ホーランド氏を新監督に迎えた。ところが「アタッキング・フットボール」を掲げているのに、守備的なサッカーに終始し、開幕11試合で1勝5分敗、18位と低迷して解任された。

 ホーランド監督の触れ込みは、チェルシーでコーチ経験あり、イングランド代表のコーチを9年間務めていた、といったようなもの。トップチームの監督経験はなかった。そもそも指導者としての評価が高ければ、わざわざ日本に来なくても、欧州で仕事はあったはずだ。

 ホーランド監督の次に就任したのは、コーチだったオーストラリア人のパトリック・キスノーボ氏。暫定監督から正式に昇格した。

 ところが公式戦は5連敗で、試合を見ても、前任者から何も変わっていない気がする。思い切った選手起用もなければ、選手のパフォーマンスが上がったわけでもない。

 キスノーボ氏はメルボルン・シティの監督としてAリーグ(オーストラリア・プロリーグ)で優勝しているものの、ACLではグループリーグ敗退。その後、フランスリーグ1部のトロワAC監督に就任するも、ほとんど勝てず、2部に降格させている。

 2人とも、指導者としての実績はパッとしないし、マリノスのサッカーを理解していない。

 マリノスのサッカーは良くも悪くも、アンデルソン・ロペス、ヤン・マテウス、エウベルといったブラジル人トリオの攻撃力が魅力。そこに日本人選手が絡むことで相手に脅威を与えてきたのに、その3人を揃って先発させていない。特にエウベルはほとんどベンチスタートで、試合に出場しないことすらある。先発で使われているのはアンデルセン・ロペスぐらいだ。

 5月14日の柏レイソル戦でも、後半59分に井上健太に代えてヤン・マテウスを投入したのに、同時にアンデルソン・ロペスを代えてしまった。なぜ2人を一ともにプレーさせないのか。これでは点が取れるわけがない。

 現状でJ1残留は厳しいが、ブラジル人3人を先発させ、先制して後半途中から日本人選手と交代して逃げ切る。そんな作戦で勝ち点を拾っていき、7月のJリーグ中断期間に補強とチームの立て直しができれば、残留の可能性は出てくる。

 ただ、今回の監督人事にはCFG(シティ・フットボール、グループ)が絡んでいる。2014年に資本提携を伴うパートナーシップを締結し、マリノスの約20%の株を取得している。昨年末にCFGから監督候補をリストアップしてもらい、西野努SDがイギリスまで飛んでホーランドに決めたと言われている。キスノーボが監督を務めていたメルボルン・シティ、トロワACはCFGが保有しているクラブ。つまりキスノーボもCFGが抱えている指導者のひとりだ。まるで実績のない指導者を送り込んでいる。

 このままではマリノスというクラブを、いいように使われてしまう。夏の補強についても「もっとレベルの高い選手を紹介しろ」と強気に出ないと、どんな選手を握らされるかわからない。

 いずれにしろ今後、マリノスが上昇せずに下位に低迷するのであれば、中山昭宏社長、西野SDの辞任は避けられない。

(渡辺達也)

1957年生まれ。カテゴリーを問わず幅広く取材を行い、過去6回のワールドカップを取材。そのほか、ワールドカップ・アジア予選、アジアカップなど、数多くの大会を取材してきた。

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