もう見飽きた、聞き飽きた感が20000%あるが、自民党にはこんなバカげた人材しかいないのか。庶民が物価高騰にあえぎ、生活を切り詰めているさなか、その庶民を愚弄し、生産者を挑発したのが、江藤拓農林水産相である。
コメ価格の異常な高騰が家計を直撃し、消費者の生活に多大な影響が出る中、佐賀市内で5月18日に開催された党佐賀県連の政治資金パーティーに参加した江藤氏は、講演会でこう言い放ったのである。
「コメは買ったことがありません。支援者の方々がたくさんコメを下さるので、まさに売るほどあります。私の家の食品庫には。大変なんですよ、コメをもらうというのも」
玄米の精米について触れたくだりでの発言だったのだが、農水大臣は価格安定化に奔走すべき担当閣僚。にもかかわらず、まさに国民にケンカを売り、あざ笑うような、無神経な物言いである。たちまち大騒動、大問題になったのは言うまでもない。
囲み取材で報道陣に「責任の取り方は?」と質問されても「え、責任…? ん~」と、コトの重大さを全く理解しない、キョトンとした顔。「責任って何の?」という対応だった。このニュース映像を見た国民は「ダメだ、こりゃ」と思ったことだろう。
当たり前だが、野党どころか与党内からも批判が噴出すると、石破茂首相は即座に江藤氏を官邸に呼びつけて叱責。江藤氏は発言を撤回して「配慮が足りなかった」と釈明をしただけで、「職務に励むように言われた」と辞任は否定した。そして何事もなかったかのように、バカにした国民の税金で議員を続けるのだという。結局、日本のことなかれ政治はこうなのだ。
江藤氏は宮崎県門川町出身。父・隆美氏は建設大臣や運輸大臣、総務庁長官を歴任した元衆院議員で、2003年に父の「鞄・地盤・看板」を引き継ぐ形で宮崎2区から無所属で立候補、初当選を果たした2世ボンボン議員だ。
案の定「やらかし資質」はもともとあったようで、2014年の支部長時代には約2万部のカレンダーを支援者に配ったことが発覚。その後も東京・千代田区のホテルで開かれた政治資金パーティーで、宮崎県庁東京事務所職員が一部業務を担当していたと報じられるなど、疑惑の人物として知られていた。
もちろん失言は枚挙に暇がなく、2019年9月の参院農林水産委員会では、前年から感染拡大が続くCSF(豚コレラ)について、真顔で以下のような答弁を展開している。
「そもそもこれ、神様が悪いと私は思ってますんでね。どこからやってきたか、わかりませんけれども。病気とかそういうのも、そうじゃないですか。ウイルスは人間が作ったものでは、そもそもありませんので」
これに野党が「責任回避だ!」と猛口撃すると、すぐにこれを撤回。
今年2月の予算委員会では、備蓄米放出に関連し食糧法に、価格の安定については「書いていない」と4回も繰り返し答弁。しかしなんのことはない、実際には条文にも書かれていたことで「失礼しました。書いてありました」と、まるで一人ボケツッコミのような、自作自演の失態を晒したのである。
庶民の痛みは人ごとな閣僚の姿に、スーパーに並ぶ5キロ5000円近い米袋を見てため息をつく主婦は、
「高いので食べるのを控えている。あまりにも非常識な発言で不愉快」
「庶民感覚を持った大臣に交代してほしい」
と、怒り心頭。それでも資質を持たないこの大臣には、何も響かないのだろう。
(山川敦司)