東京競馬場に詰めかけた8万2040人の観衆から、どよめきの声が上がった。日本ダービーの決着が波乱だらけだったから…なのではない。1番人気クロワデュノールが絶好の位置取りから直線抜け出し、圧倒的な勝利を見せつけている。問題はレース後の表彰式だった。
ダービージョッキーとなった北村友一騎手にトロフィーを贈るのは、 小泉進次郎農林水産大臣が登場したのだ。日本中央競馬会(JRA)は農林水産省が管轄する外郭団体。ダービーともなれば、農水大臣が表彰式に出席するのはよくある光景だ。
ここで観衆からは歓声に混じって「コメー!」「こんなところに来てる場合か!」といったヤジが飛ぶ。
なにしろ「令和の米騒動」により、政府備蓄米を放出した小泉大臣だが、仕入れた大型店舗には安い備蓄米を求めて、早朝から大行列ができる異常事態。そのさなかの競馬場訪問であり、米不足と価格高騰問題はまだ収まっていないものだから…。
「コメ担当大臣」も大変である。
(石見剣)