首位に立ったかと思ったら、いつの間にやらBクラスに。プロ野球の序盤戦は、そんな乱高下が繰り広げられている。5月20日の阪神戦に完封負けして4位に転落した巨人の阿部慎之助監督に「発想の転換」を勧めたのは、野球解説者の高木豊氏である。
主砲・岡本和真が左肘の故障で離脱している間は、周囲から「いったいどうした?」と言われるほど先発メンバーをガラッと入れ替えてもいいと自論を展開したのだ。
自身のYouTubeチャンネル「高木豊 Takagi Yutaka」で語ったのは、オリックスの例だった。
「発想の転換だよ。例えばオリックスが、西村監督がやってて、中嶋監督に途中で交代した。そうしたら先発メンバーが全員、違ったんだよ。岡本がいなくなる。阿部慎之助の理想の野球はあるだろうけど、それは捨てて、今いちばん相手が嫌がることを…自分たちが得点能力としていちばんできることは何かと考えた時に、答えは出てくるのかなと」
オリックスの西村徳文監督が成績不振によってシーズン途中に退任したのは、2020年8月20日。翌21日、中嶋聡2軍監督が1軍監督代行に昇格した。このシーズンは6位に終わったものの、2021年から3年連続でリーグ優勝(うち2022年は日本一)。
2軍生活が長かった杉本裕太郎を1軍に定着させると、2021年には本塁打王になった。守備面においては、外野手の宗佑磨を三塁手にコンバートさせ、3年連続で三塁手部門のベストナイン、ゴールデングラブ賞を受賞した。まさに中嶋監督の眼力が光ったといえよう。
ここで高木氏の話に戻れば、岡本不在で巨人らしい空中戦ができないことから、
「足は使った方がいい。吉川(尚輝)だって使えるしさ、増田大輝、門脇(誠)、若林(楽人)がいる。重信(慎之介)がいる。足の速いヤツ全部並べてかき回せって。体のデカいやつ並べなきゃダメか?」
さて、阿部監督はどう動くのか。
(所ひで/ユーチューブライター)