3-0判定の内訳を見れば、99-91、99-91、100-90の圧勝。それでも那須川天心の「世界前哨戦」と位置づけられた、WBA世界バンタム級6位ビクトル・サンティリャン(ドミニカ共和国)との一戦は、モヤモヤが残るものだった。またしてもKOを逃したことが多分にあろうが(7戦7勝2KO)、「KOダイナマイト」の異名を持った元世界王者の内山高志氏はYouTubeチャンネル「内山高志KOチャンネル」で、ズバッと「指導」した。
「倒しきれる相手だったかな。ワンツーの時に思い切り踏み込んで、ここ(ジャブから次のストレートで)からドンッていく。(今の那須川は)タタン、タタタタタンじゃないですか。ドンッ、ドンッていくことが大事なんですよ。打って離れてって部分も素晴らしいんですけど、突き刺すってパンチがないんですよね」
一方で、別の見方もある。元日本スーパーライト級王者にして、著書「ボクシングの見方が一発で変わる本」など言語化する能力が秀逸な細川バレンタイン氏は自身のYouTubeチャンネル「細川バレンタイン/前向き教室」で、那須川を次のように評した。
「試合の中でやっていることが、基本的にメイウェザーっぽいなって思う。間違わないでほしいのは、めちゃくちゃ難しいから。みんなできないからやらないだけで、彼(那須川は)できてしまうんだよ」
ボクシング界屈指のテクニシャンだったフロイド・メイウェザー・ジュニアは2018年12月31日、エキシビションとはいえ、那須川に黒星をつけた元世界5階級制覇王者。50戦無敗(27KO)を誇るレジェンドながら、晩年の10試合を見れば、KO勝利は2試合のみだった。那須川が今後、向かうべき道は…。
(所ひで/ユーチューブライター)