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記事全文を読む→長嶋茂雄が「4番1000日計画」で作り上げた“最高傑作”松井秀喜(2)松井も「笑うしかなかった」
「高校通算60本塁打」「5打席連続敬遠」と騒がれた超高校級の素材は、巨人軍入りするやマンツーマンで長嶋からみっちりと鍛えられた。いわゆる「4番1000日計画」である。
「長嶋さんは松井を『日本最強のバッターに育てる』という使命感に燃えていました。『その思いは、我が子以上でしたよ』とまで口にしたほどです。ホームゲームでは東京ドームの一室、遠征先ではホテルのスイートルーム、スランプに陥ると田園調布にある自宅の地下室で素振りをさせました」(松下氏)
とりわけ松井の打撃センスを開眼させた特訓場所が、長嶋邸の地下室に他ならない。
「全裸で素振りをさせられたのは有名ですが、そこで重要視されたのはスイング音よりも玉袋が太ももに当たる音。『パチンとぶつかるように振れ!』と指導されたといいます。松井も最初のうちは理解できずに『笑うしかなかった』と半信半疑でしたが、真っ暗闇、かつ音のない地下室で素振りをすることで『第6感』が研ぎ澄まされたようです。『なんとなく相手投手の心理も読めるようになった』と周囲にも話していましたからね」(球界関係者)
すべてはミスター流。現役時代の長嶋もまた、スランプに陥るたびに地下室の素振り部屋にこもったという。
「暗闇の中で9回ツーアウト満塁のシチュエーションを想定し、阪神のエースだった村山実のストレートやフォークを打ち砕く、イメージトレーニングを重ねていたといいます」(松下氏)
特訓を終えると、松井は亜希子夫人の手料理をご馳走になった。それは、栄養面にも配慮されたもので、
「ローストビーフの入ったサンドウィッチ、自家製の野菜が盛りだくさんのサラダ、温かいターキーシチューがよくふるまわれたそうです。『今日も、ホームラン打ってね!』と玄関までのお見送り付きで。長嶋夫妻は、松井を家族同然に、目をかけていた印象です」(松下氏)
二人三脚の特訓は1000日が経過し、果たして松井は巨人の4番に座った。その後、聖域に定着しても師弟の特訓は続いていく。
「長嶋さんは『球界のシンボルになってほしい』と、松井に甘い言葉を一切かけませんでした。引退時に『現代で最高のホームランバッターだったと贈りたい』と称賛するまで、まったく褒めることはありませんでした。技術はもとより心の鍛錬も大切にしていた、長嶋さんなりの親心だったと思います。一方で、松井がスイングの形を矯正されることはほとんどなかったといいます」(松下氏)
こうして、日米通算507本塁打の“最高傑作”は作られたのだ。
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