スポーツ
Posted on 2025年06月14日 17:54

長嶋茂雄〈チョーさん唯一無二の迷言編〉/ミスター「かっとび伝説」

2025年06月14日 17:54

 80年の“解任”から93年の監督復帰まで、ミスターの活躍の舞台は野球解説などの球界だけにとどまらなかった。その唯一無二の天心爛漫なキャラクターを生かし、テレビ出演やビッグイベントのアンバサダーなど、マルチタレントとして引っ張りだこに。

 テレビ番組の企画でアフリカのナイロビを訪れて野生のキリンを見つけて「あの背の高いのはキリンあたりかな?」など、独特のワードセンスはお茶の間を沸かせた。

 浪人時代に長嶋の番記者を務めたスポーツライターの猪狩雷太氏は振り返る。

「ワールドシリーズ中継の解説をするために、ニューヨークに入ったミスターに張り付いたことがあります。当時は大洋の監督を引き受けるかどうかで注目されていた頃。『ニューヨークから君はどうやって帰るの?』と聞かれ、直通ではなくロス経由のチケットだと話すと、『ワンバウンドするんだね』と」

 日本ハムから巨人に移籍した河野博文は「ゲンちゃん」、同じく西武から来た大久保博元は「ぶーちゃん」など、選手を愛称で呼んだミスターだが、

「長嶋さんはアダ名を付ける名人でした。秀逸なものでは小柄な番記者に『カンボジアの皇太子』、個性的な風貌の番記者には『アパッチ』だったり」(前出・猪狩氏)

 あまり浸透しなかったが、高橋由伸を「ウルフ」と名付けたことも‥‥。古くから親交があるせんだみつお氏がミスター語録を述懐する。

「長嶋さんはゴルフが大好きでね。浪人時代に仲よくなって月に3回はプレーしました。打つ順番を決める時、4人で円陣囲んでティーを投げて、ティーの先っぽが向いた人から打っていく。そしたら長嶋さん、ティーじゃなくて、ポケットから出した100円玉を投げた。丸いから先っぽも何もない。誰から打っていいのかわからないんですよ」

 グリーンでOBを打てば「ファール!」と脳内変換してしまう長嶋ワールドが全開。せんだ氏が続ける。

「長嶋さんはプロゴルファー並みにうまいから、僕はハンディキャップをいっぱいもらうんだけど、それでわずか1打差で僕が勝ったんですよ。『せんちゃん、うまくなりましたねー』『いやいやハンデをいっぱいもらったからです』『勝ちは勝ちですよー。私、今日はせんちゃんに頭が上がります』だって(笑)」

 高度成長期には下駄箱や銭湯の脱衣所などの番号「3」が取り合いになったものだ。本人も数字にこだわりがあったのだろうか?

「長嶋さんは昭和33年に巨人に入団して現役時代の背番号は3。第二次政権、最初の背番号は33番だった。だから、聞いたんですよ。『長嶋さん、やっぱり3にご縁があるから好きな数字は3ですよね?』って。そしたら『うーん、そうですね。せんちゃんが言った通り好きな数字はと聞かれれば、ラッキー7の3ですね』って。いまだに意味わかんないんですけど」(せんだ氏)

 徳光正行氏は長嶋語録の代名詞となった「鯖は魚へんにブルー」の真相を語る。

「あの言葉が出たのは、日本シリーズ前の集中キャンプでみんながピリピリしてる中で長嶋さんもけっこう難しい話をしていた。記者が恐る恐る近づいて長嶋さんにインタビューしようとしたら、『いやー、鯖がおいしい季節みたいだね。鯖ってどういう漢字だっけ?』突然鯖の話を始めた。全然野球と関係ない話をして、その場を和ませようとしたんです」

 いつ何時でも誰が相手でもミスターは一流のエンターテイナーだったのだ。

カテゴリー:
タグ:
関連記事
SPECIAL
  • アサ芸チョイス

  • アサ芸チョイス
    社会
    2026年09月04日 07:00

    地上からは想像もつかない深海で、半世紀前に投棄された「核のゴミ」が静かに朽ち果てている――。米メディア「The Week」電子版が、そんな背筋が寒くなるようなニュースを報じた。フランス沿岸から約1000キロ離れた北東大西洋海域の水深約470...

    記事全文を読む→
    カテゴリー:
    タグ:
    社会
    2026年09月05日 14:15

    東京都港区で8月に行われた「麻布十番納涼まつり」で、屋台の「冷やし蟹ラーメン」を食べた78人が下痢や嘔吐などの症状を訴え、3人が入院した問題で、新たな衝撃事実が判明した。東京都と港区は発症者31人と従業員2人の便からサルモネラ属菌が検出され...

    記事全文を読む→
    カテゴリー:
    タグ:
    政治
    2026年09月08日 07:15

    アメリカ・アイダホ州の一部地域では、畑の土を外へ持ち出さないよう、厳しい移動制限が敷かれている。農機具も土を完全に落とさなければ、「発生地域」の外へは出せない。そこまでして封じ込めている相手が、肉眼ではまず見えない「線虫」だ。名前は「ジャガ...

    記事全文を読む→
    カテゴリー:
    注目キーワード
    最新号 / アサヒ芸能関連リンク
    アサヒ芸能カバー画像
    週刊アサヒ芸能
    2026/9/1発売
    ■650円(税込)
    アーカイブ
    アサ芸プラス twitterへリンク