政治
Posted on 2026年05月16日 10:00

トランプVS習近平「日本にとって本当に迷惑なのはどっちだ!?」(1)「政治生命」どっちが長い?

2026年05月16日 10:00

 イラン戦争の影響で延期になっていた米中首脳会談。同盟国でありながら無理難題を押し付けてくるトランプ大統領と、隣人でありながら不穏な関係が続く習近平氏が顔を合わせるわけだが、やはり気になるのは、この両雄が日本に何をしてくるか。われわれの生活を脅かす実に“迷惑”な存在を率直に比べてみた。

「日本にとっての短期的な脅威はトランプ大統領、長期的な脅威は習近平国家主席です」

 ジャーナリストの五味洋治氏はこう語る。東京新聞記者時代に北京支局などに駐在、国内でも外務省担当をしていた経験に基づく分析だ。五味氏が続ける。

「トランプ氏はまさに朝令暮改。二転三転する言動を予測することは不可能です。高額な関税政策、イランへの空爆などに反感を持つアメリカ国民も少なくはなく、支持率は下落傾向。今年11月の中間選挙で敗北するとの見込みも報道されています」

 アメリカ合衆国憲法では「いかなる者も、2回を超えて大統領の職に選出されない」と規定されている。トランプ氏は2度目で、3期目はないのだが、ご本人は本気で3期目を狙っている。改憲など「ウルトラC」を用意しているのか。それとて、国民からの圧倒的支持が必要。いわば、両者の決定的な違いは“政治生命”ではないか。

「死ぬまで今の地位に就く習氏に対し、トランプ陣営が仮に中間選挙で大敗すれば、次期大統領候補とされるバンス副大統領やルビオ国務長官も『以前から大統領の意向には反対だった』と手のひらを返し、トランプ氏から離れていくでしょう」(五味氏)

 それぞれが直面した政治生命を左右するスキャンダルを比較してみても、対応や情勢は両極端である。

「習近平氏はプライベートも含め、徹底した秘密主義を貫いている。かつての新型コロナウイルスをはじめ不都合なことは徹底して隠蔽し、対外的な説明責任を回避することで党の威信を保ってきた。一方のトランプ氏はポルノ女優への不倫の口止め料をめぐって訴追された他、昨今では獄中死したエプスタイン氏との交遊から性的暴行を疑う声も米国内では挙がっている」(全国紙外務省担当記者)

 先月、トランプ氏の夕食会を狙った暗殺未遂事件の容疑者も、エプスタイン問題への怒りを犯行動機にしていたとの報道があった。こうしたことも、トランプ大統領の政治生命を危うくする要因の一つであろう。

 ともあれ、同盟国ではあるが苛烈な要求を突きつけてくるアメリカと、隣人ではあるが領土問題をはじめ様々な局面で対立を深める中国。脅威の質は異なる。

「中国は地政学的にも、日本の領土への直接関与の危険があります。歴史に鑑かんがみても、元寇など実際に攻め込んできたルーツのある国です」(五味氏)

 習氏が反日の姿勢を掲げるかぎり、一触即発の日中関係は継続されるようだ。

「昨年も軍幹部が粛清されたが、『不正があった』などと曖昧な理由ですぐに更迭し、普通の国ではありえない粛清も行う。今の幹部はそうした粛清をかいくぐってきており、習近平氏とは“鉄の結束”で結ばれている。その忠誠心は、習近平氏がいなくならないかぎり終わることはない」(外務省担当記者)

 25年5月にも中国のヘリによる日本の領空侵犯があったが、もはやこの種の日本領土への“直接関与”は珍しい出来事ではない。政治的対立は訪中する日本人へも影響が及ぶ。五味氏が実体験を交えて語る。

「北京支局にいた当時、赴任当日からずっと、私の日常生活は中国側にマークされていました。密着にはふだんまったく気づかず、普通の食事の場まで駐在期間の長期にわたり撮影されていたことがあとでわかりました。私の経験は20年以上前ですが、海外メディアの駐在記者には同様な対応が図られているようです」

 日本でもこの4月からスパイ防止法を巡り、自民党と保守党の協議が始まったが、中国ではすでに運用され、一般の日本人にも監視の目が光っている。

「現在も日本人がスパイ容疑で30~40人は拘束されているらしい。麻薬取締法によって逮捕されている人もいる。中国では『麻薬』の基準や刑罰が明確でなく、極端なことを言えば、1グラムの所持で死刑の可能性もある。この中には、勝手にカバンに入れられてしまって麻薬所持で逮捕された例もある」(中国国内事情に詳しいジャーナリスト)

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