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Posted on 2026年05月17日 18:00

気になる著者に直撃!〈舛添要一〉世界は「米中」の2大国時代。日本は中国史に無知すぎる!

2026年05月17日 18:00

「中国の逆襲—習近平の戦略」
祥伝社新書/1067円

 日本にとって近いようで遠い国が中国だろう。「両国間の摩擦を激化させるのは中国の近代史に無知であることが一因」と指摘するのは、元東京都知事で国際政治学者の舛添要一氏。中国要人とのパイプを持つ著者が、歴史をひもときながら、中国の本質に迫る。

「現在の日中関係は、戦後最悪と言ってもいい」と前置きして、こう警鐘を鳴らす。

「その要因は、昨年11月の衆議院予算委員会において、高市総理の台湾有事を巡る発言にあることは言うまでもありません。高市総理自身もそれは理解しているはずですが、謝罪という選択肢はないのでしょう。理由は政治基盤が保守層にあるためです。私は彼女を若い頃から知っていますが、非常に『パワーハングリー』で権力志向が強い人でした。かつては、あそこまで保守的ではありませんでしたが、自民党で出世するためにそうならざるを得なかったのでしょう。さらに言えば、中国に対する知識が決定的に不足している点も残念です」

 高市総理に限らず、多くの日本人が「中国の近代史に無知」であることが、両国間の摩擦を激化させる一因となっている。

「『歴史を学ばない国民は滅びる』と言われますが、そのとおりだと思います。中国を理解するには、アヘン戦争以来の近代史を知る必要がありますが、全体像を簡潔に把握できる書籍は少ない。そこで本書では中国近代史を通史として整理しました。現在の中国を理解するための土台として歴史を押さえてほしい、というのが一番の狙いです」

 今の中国は、アメリカと並ぶ覇権国家になろうとしているが、誤った情報が多く流布している。

「中国経済はバブルが崩壊して当分立ち直れないと言われますが、それは誤解。日本の成長率が1%前後なのに対して、中国は5%程度を維持しています。私は毎年のように中国を訪れていますが、生活水準の向上には目をみはるものがあります。認証技術の進歩により犯罪は大幅に減少しました。盗難もほとんどなくなり、交通違反も抑制されています。電気自動車やAI、ドローンといった分野では日本が後れを取っていると感じる場面も少なくありません。ところが、日本の対中評論家の中には、5~6年前の知識で中国を語っている人も多い。これでは現在の中国を論じることはできません」

 現在、日本と中国との間で最も問題となっているのは人的交流の断絶だ。

「中国は政策的に観光客や航空便を制限できますが、国内経済は成り立ちます。一方、日本は観光などで大きな影響を受ける。この非対称性を踏まえて外交を考えるべきです」

 では、日本は今後、中国とどう向き合うべきなのか。

「世界はすでに『米中』という2大国の時代に入っています。日本はアメリカと同盟関係にありますが、中国と良好な関係を築くことが不可欠です。戦争は絶対に避けなければならない。そのためにも、中国の歴史や指導者・毛沢東、鄧小平、習近平が何を望み、何をしてきたかを理解する必要があります。歴史を踏まえずに現在だけを見ると、判断を誤ります」

〈原悟平〉

舛添要一(ますぞえ・よういち)国際政治学者、前東京都知事。1948年、福岡県生まれ。71年、東京大学法学部政治学科卒業。パリ、ジュネーブ、ミュンヘンでヨーロッパ外交史を研究。東京大学教養学部政治学助教授を経て政界へ。01年参議院議員(自民党)に初当選後、厚生労働大臣(安倍内閣、福田内閣、麻生内閣)、都知事を歴任。「スターリンの正体」など著書多数。

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