秋風が心地よく吹き抜け、家飲みが一段と楽しくなる10月。仕事終わりの晩酌や週末のリラックスタイムに「いつもとはひと味違う、極上の酒の肴を楽しみたい」と思ったらどうするか。もちろん酒場へ繰り出すのも悪くないが、自宅のキッチンで手軽にプロ顔負け...
記事全文を読む→映像ディレクター・佐々木敦規の「お台場ハチャメチャ青春記」〈第3回〉(2)田代まさしがK–1を広めた
お笑い、料理、情報、ニュース等、ジャンルを問わず「おもしろいと思ったら何でも挑戦した」佐々木が長く関わってきたのが、格闘技だ。こちらも別のプロデューサーからの誘いに始まる。
「95年の年末に『プロ野球ニュース』の企画コーナーで初めてK-1を扱うことになって担当Dを仰せつかりました。初めてK-1の大会を取材し、『一般視聴者にK-1を届けること』に向き合ったんです」
K-1は「空手、キック、カンフー、拳法等、あらゆる立ち技格闘技の世界最強を決める大会」として、93年にフジテレビが主催したイベント「LIVE UFO」の目玉としてスタート。ヘビー級の格闘家による豪快なKO劇が若者たちに支持され、大会チケットは発売即完売となった。リングサイドには、観戦に訪れた有名芸能人たちが並び、華やかさを演出した。
当初、フジテレビは土曜夕方の枠で放送していたが96年10月「K-1スターウォーズ アンディ・フグ対佐竹雅昭」でゴールデンタイム進出を果たす。
それに伴い「K-1を一般層に届けるための番組」として、格闘技情報番組「SRS(スペシャルリングサイド)」がスタート。佐々木はその立ち上げメンバーに抜擢された。
「『プロ野球ニュース』で扱った頃は、K-1は若者層に人気のイベントだけど一般層にはまだまだ知られていなかった。だから『技より人』にフォーカスしてVTRを作った。それをプロデューサーが覚えていてくれて、僕に声を掛けてくれたんです」
90年代後半~00年代の格闘技ブームを作り出したK-1。後にも先にもない、画期的なシステムで作り出された。
「当時、フジテレビ社員の格闘技大好きなメンバーで『格闘技委員会』が作られました。メンバーには制作、営業、編成、事業、取締役と局内のあらゆるセクションの格闘技好きが集まり、彼らが石井和義館長(正道会館)のK-1を担いだんです。K-1選手は『笑っていいとも!』などのバラエティー番組にもよく出たことで顔が売れて、CM出演にもつながった。局全体で1コンテンツを推すのは、前代未聞。これからもないでしょうね」
とはいえ「格闘技のメジャー化」は簡単なものではなく、「SRS」も当初は苦戦した。
「初代MCはナレーターの武居“M”征吾さんと藤原紀香。プロデューサーの意向で『普通のスポーツ情報番組』のテイストで作ったら、視聴率は低迷しました。半年後にMCが田代まさしさんに代わったのを機に、僕の得意とするバラエティー色を入れることになったら、これが当たったんです」
田代まさしは「SRS」第1回のゲストだった。くわえたタバコを格闘家に蹴り落とされると、大げさに悲鳴を上げて、場を盛り上げた。
「田代さんは“そこにいるだけ”でおもしろい空気を作ってくれます。ただ『格闘家が主役の番組だから』と、必要以上に前に出たりボケたりはしなかった」
「SRS」は、フジテレビの深夜番組では異例の12年半(96年~08年)という長寿番組となったが、その背景として「田代さんの功績が大きかった」と佐々木は振り返る。
「当時、いろいろな番組に引っ張りだこだった田代さんが、わざわざ深夜番組のMCをやる必要は本来なかったんですよ。だけど『格闘技が好き』という思いで引き受けて、『格闘技情報バラエティー』の基礎を作ってくれた。僕は今でも感謝しています」
「SRS」の準レギュラーは浅草キッド(後にMC)、大槻ケンヂ、関根勤。彼らの共通点は「格闘技が大好き」で、なおかつ「バラエティーをわかっているタレント」。
「格闘技の聖地・後楽園ホールには独特の“暗さ”があって、僕は大好きですけど(笑)、その空気感をそのまま伝えたらメジャーなコンテンツになりません。マニアックな知識を持ちながら、『一般層への伝え方』をよく知っていた浅草キッドや大槻さん、関根さんは、まさに適任だったと思う」
佐々木敦規(ささき・あつのり)1967年生まれ。演出家・映像ディレクター。フィルムデザインワークス取締役。「ビートたけしのお笑いウルトラクイズ!!」「とんねるずのみなさんのおかげでした」「IPPON GP」などのバラエティー、K-1やプロレスなど格闘技番組の演出を経て、ももクロのステージ演出を手掛ける。
取材・構成/茂田浩司(ライター&編集者)
アサ芸チョイス
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