芸能

古舘伊知郎は「芥川賞」と「本屋大賞」の違いがなぜわからないのか?

20150721hurutati

 7月16日放送の「報道ステーション」(テレビ朝日系)にて、古舘伊知郎が「芥川賞と本屋大賞」との関係に言及し、話題を呼んでいる。

 古館は、「芥川賞と本屋大賞との区分けがだんだんなくなってきた感じがするんですけどね」と語り、芥川賞の選考に疑問を呈するような姿勢を見せたのである。

 とりあえず権威には噛みついておく古館節のようだが、そもそも古館自身が“芥川賞と本屋大賞との区分け”について理解できているかどうか、はなはだ疑問である。それゆえ、「ちゃんと『火花』を読んだのか?」という声があがるのではないだろうか。

 小説好きには釈迦に説法だが、芥川賞が純文学を対象にした賞なのに対し、本屋大賞は全国の書店員が最も売りたい新刊本に投票するもので、賞の位置づけ自体がまったく異なっている。だから、両者の区分けがなくなるなんてことはそもそも、あり得ないのである。

 ここ数年の本屋大賞を見ると、2015年の「鹿の王」はファンタジー、2014年の「村上海賊の娘」は歴史小説、2013年の「海賊とよばれた男」は歴史経済小説であり、いずれも芥川賞では選考対象外のジャンルばかり。過去の1位作品を見ても、ミステリー小説の割合が多く、エンターテイメント性の高い作品が好まれる傾向が見えてくる。

 一方で、ピース・又吉直樹の「火花」はれっきとした純文学であり、初出も文藝春秋の「文学界」だ。ここをどう読み解けば、本屋大賞との区分けがなくなってきたことになるのか。まったくもって古館のコメントの意図は、理解不能ではないだろうか。

 裏読みすれば、中堅芸人の書いたベストセラー小説が芥川賞を受賞することに、違和感を抱いた可能性もある。だが、アーティストの辻仁成は37歳で芥川賞を受賞しており、現在35歳の又吉とはほぼ同じ年代だ。もしや古館は、辻が受賞した19年前から芥川賞に対して疑問を抱き続けてきたのだろうか。ぜひ、報道ステーションでコメントしてもらいたいものである。

(金田麻有)

カテゴリー: 芸能   タグ: , , , ,   この投稿のパーマリンク

SPECIAL

アサ芸チョイス:

    医者のはなしがよくわかる“診察室のツボ”<マイクロスリ―プ>意識はあっても脳は強制終了の状態!?

    338173

    昼間に居眠りをしてしまう─。もしかしたら「マイクロスリープ」かもしれない。これは日中、覚醒している時に数秒間眠ってしまう現象だ。瞬間的な睡眠のため、自身に眠ったという感覚はないが、その瞬間の脳波は覚醒時とは異なり、睡眠に入っている状態である…

    カテゴリー: 社会|タグ: , , , , |

    医者のはなしがよくわかる“診察室のツボ”<紫外線対策>目の角膜にダメージ 白内障の危険も!?

    337752

    日差しにも初夏の気配を感じるこれからの季節は「紫外線」に注意が必要だ。紫外線は4月から強まり、7月にピークを迎える。野外イベントなど外出する機会も増える時期でもあるので、万全の対策を心がけたい。中年以上の男性は「日焼けした肌こそ男らしさの象…

    カテゴリー: 社会|タグ: , , , , , |

    医者のはなしがよくわかる“診察室のツボ”<四十肩・五十肩>吊り革をつかむ時に肩が上がらない‥‥

    337241

    最近、肩が上がらない─。もしかしたら「四十肩・五十肩」かもしれない。これは肩の関節痛である肩関節周囲炎で、肩を高く上げたり水平に保つことが困難になる。40代で発症すれば「四十肩」、50代で発症すれば「五十肩」と年齢によって呼び名が変わるだけ…

    カテゴリー: 社会|タグ: , , |

注目キーワード

人気記事

1
「これは…何をやってるんですかね」解説者がア然となった「9回二死満塁で投手前バント」中日選手の「超奇策」
2
永野芽郁の二股不倫スキャンダルが「キャスター」に及ぼす「大幅書き換え」の緊急対策
3
神宮球場「価格変動制チケット」が試合中に500円で叩き売り!1万2000円で事前購入した人の心中は…
4
もうやめろ!大谷翔平「パパ初ハラスメント」にうんざりする「過熱報道への反発」
5
大谷翔平「本塁打の軌道がおかしい」のは「ぐっすり眠れる敵地10連戦」で一変する