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記事全文を読む→ホントーク〈古舘伊知郎×パトリック・ハーラン〉(2)本当は芸人になりたかった
パックン 僕も調べることが好きなので、この本に共感するところも多いんですけど、仕事の前に徹底的に調査したり、資料を集めたり、イメトレするというのは、誰もができることではありません。準備の基準が高すぎます。
古舘 パックンは自然に準備している気がします。僕の場合、コスパやタイパは考えずに時間を忘れて没頭しちゃうので、準備は趣味ですね。例えばパックンと会えることが決まると、僕が知っているかぎりのパックンを妄想する。妄想しているうちに、初めて会った時のことをはっきり思い出す。何十年も前ですけど、ある放送作家の結婚披露宴でパックンマックンが司会をやってたでしょ? その時、僕も前の方の席に座っていたんです。
パックン 覚えています! あの時、名司会者が目の前にいて、すごくやりづらかったんですよ(笑)。
古舘 僕がやってきた司会と披露宴の司会はまったく違いますから。ジョークを挟みながら披露宴の進行をするなんて、パックンマックンの方が上手ですよ。
パックン いえいえ。古舘さんが87年に生中継で司会をされた「おめでとう郷ひろみ・二谷友里恵結婚披露宴」(フジテレビ系)は高視聴率でしたよね。
古舘 何でそんな大昔の話、準備してくるんですか(笑)。でも視聴率は50%を超えて、芸能人の披露宴では、その記録が破られていないらしいです。
パックン それはすごい!
古舘 そんな風に、僕は相手のことを妄想するのも準備だと思っていますから。
パックン なるほど。アンドレ・ザ・ジャイアントが帝国ホテルに泊まるという情報から妄想を広げて「夜中に彼が悪夢にうなされて寝返りを打ったら、翌朝、目覚めるとホテルニューオータニだった」という話、面白かったです。体が大きいという特徴をデフォルメして、非現実的なことに繫げる。まさにコメディアンのギャグと同じで、古舘さんには芸人魂も宿っていると感じました。
古舘 僕は小さい頃から人を笑わせたり、楽しませたりすることを本当はやりたかったんじゃないかな。芸人になりたかったのかもしれないけれど、自分には向いてないとか、そういう器じゃないとか思っているうちに、アナウンサーになりたいと思うようになった気がします。
ゲスト:古舘伊知郎(ふるたち・いちろう)1954年東京生まれ。立教大学卒業後、77年テレビ朝日にアナウンサーとして入社。「ワールドプロレスリング」などを担当。84年にフリーとなり「古舘プロジェクト」を設立。04年4月から12年間「報道ステーション」(テレビ朝日系)でキャスターを務める。19年、立教大学経済学部客員教授に就任。「喋り屋いちろう」など著書多数。
聞き手:パトリック・ハーラン 1970年、アメリカ・コロラド州生まれ。93年、ハーバード大学を卒業後来日。97年、吉田眞とお笑いコンビ「パックンマックン」を結成。NHK「英語でしゃべらナイト」「爆笑オンエアバトル」で一躍人気者に。「報道1930」(BS-TBS)でコメンテーターを務めるなど、報道番組にも多数出演。12年から東京工業大学非常勤講師に就任。
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