スポーツ

最古参記者・三宅充×中澤潔が語り尽くす!大相撲“八百長問題・伝説の名勝負”「不自然な相撲は今後もある」

20150924_1001jj

中澤 八百長スキャンダルが発覚した際、理事長に就いた放駒親方は記者会見の冒頭で、「八百長」という言葉を使っていました。ところが協会内部で「我々が『ない』と言っているものを『ある』がごとくに言ってしまったら、これまでのことが洗いざらい出てくる」と批判が出たらしい。そのため、次から放駒理事長は「無気力相撲」という言葉をうことになった。

三宅 でも八百長と無気力相撲は違う。力士も力が出ないことはままある。それは無気力相撲で、八百長はれっきとした工作がある。

中澤 結局、携帯電話などの証拠として残るようなことはしないでしょうが、不自然な相撲というのはこれからもあるでしょうね。

三宅 だから新弟子教育の時にも、八百長は絶対やっちゃいけないんだ、ということを徹底しないといけない。そうでないと、いつかまた復活する。

中澤 大相撲にとって最大の危機だった時代から再度の相撲ブームに牽引したのは、実は日本人ではなく外国人、つまりモンゴル人力士なんですね。日本人は06年初場所以降、優勝していない。外国人を倒して日本人が優勝する、それが日本人の夢なんです。

三宅 相撲というのはハングリースポーツ。優勝できないのは、今の日本人にハングリー精神がなくなってきた証拠です。日本人が優勝という局面はあるだろうが、横綱となると2場所連続優勝しなければならない。

中澤 ただ、体がいいだけでは、稀勢の里のように大関にはなれても横綱にはなれない。彼はね、勝率8割なんです。史上最強の大関なんですけどね。

三宅 昔ね、栃木山という名横綱が「根性さえあれば、新弟子は体が小さいほうがいい」と言っていた。

中澤 稽古で技を磨けば、日馬富士や鶴竜のように、小さくても横綱になれるんですものね。人材発掘のため、協会は新たに「三段目最下位格付け出し」制度を設けることを承認しました。新弟子検査の前日まで25歳未満が対象で、全日本選手権、全日本実業団選手権、国体成年個人の3大会のいずれかで、8強以上の成績を収めた者に資格が与えられるんです。

三宅充:1930年、東京都生まれ。読売「大相撲」編集長を経て、相撲ライターに。戦後大相撲の生き字引的存在。大相撲の著書多数。

中澤潔:1934年、広島県生まれ。報知新聞記者、毎日新聞記者として相撲や水泳などを取材。89年に退社してフリー。著書に「大相撲は死んだ」(宝島社新書)。

カテゴリー: スポーツ   タグ: , , ,   この投稿のパーマリンク

SPECIAL

アサ芸チョイス:

    デキる既婚者は使ってる「Cuddle(カドル)-既婚者専用マッチングアプリ」で異性の相談相手をつくるワザ

    Sponsored

    30〜40代、既婚。会社でも肩書が付き、責任のある仕事を担うようになった。周囲からは「落ち着いた」なんて言われる年頃だが、順調に見える既婚者ほど、仕事のプレッシャーや人間関係のストレスを感じながら、発散の場がないまま毎日を過ごしてはいないだ…

    カテゴリー: 特集|タグ: , |

    これから人気急上昇する旅行先は「カンボジア・シェムリアップ」コスパ抜群の現地事情

    2025年の旅行者の動向を予測した「トラベルトレンドレポート2025」を、世界の航空券やホテルなどを比較検索するスカイスキャナージャパン(東京都港区)が発表した。同社が保有する膨大な検索データと、日本人1000人を含む世界2万人を対象にした…

    カテゴリー: 社会|タグ: , , , |

    コレクター急増で価格高騰「セ・パ12球団プロ野球トミカ」は「つば九郎」が希少だった

    大谷翔平が「40-40」の偉業を達成してから、しばらくが経ちました。メジャーリーグで1シーズン中に40本塁打、40盗塁を達成したのは史上5人目の快挙とのこと、特に野球に詳しくない私のような人間でも、凄いことだというのはわかります。ところで、…

    カテゴリー: エンタメ|タグ: , , |

注目キーワード

人気記事

1
太川陽介「元祖バス旅」ついに復活で「新パートナー」は実験的な「日替わり」も…
2
これは太川陽介を勝たせるため…「バスvs鉄道対決旅」で鉄道マニアの村井美樹にかけられた「疑惑」
3
移籍先が見つからない田中将大の「救世主」はまさかの「明石家さんま」だった
4
【衝撃訃報】コンサート当日に浴槽で急死した中山美穂の「不可解な状況」
5
プロ成績は歴然だけど…元日本ハム・斎藤佑樹と元楽天・田中将大「現在地と明暗」皮肉な大逆転