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最古参記者・三宅充×中澤潔が語り尽くす!大相撲“八百長問題・伝説の名勝負”「不自然な相撲は今後もある」

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中澤 八百長スキャンダルが発覚した際、理事長に就いた放駒親方は記者会見の冒頭で、「八百長」という言葉を使っていました。ところが協会内部で「我々が『ない』と言っているものを『ある』がごとくに言ってしまったら、これまでのことが洗いざらい出てくる」と批判が出たらしい。そのため、次から放駒理事長は「無気力相撲」という言葉をうことになった。

三宅 でも八百長と無気力相撲は違う。力士も力が出ないことはままある。それは無気力相撲で、八百長はれっきとした工作がある。

中澤 結局、携帯電話などの証拠として残るようなことはしないでしょうが、不自然な相撲というのはこれからもあるでしょうね。

三宅 だから新弟子教育の時にも、八百長は絶対やっちゃいけないんだ、ということを徹底しないといけない。そうでないと、いつかまた復活する。

中澤 大相撲にとって最大の危機だった時代から再度の相撲ブームに牽引したのは、実は日本人ではなく外国人、つまりモンゴル人力士なんですね。日本人は06年初場所以降、優勝していない。外国人を倒して日本人が優勝する、それが日本人の夢なんです。

三宅 相撲というのはハングリースポーツ。優勝できないのは、今の日本人にハングリー精神がなくなってきた証拠です。日本人が優勝という局面はあるだろうが、横綱となると2場所連続優勝しなければならない。

中澤 ただ、体がいいだけでは、稀勢の里のように大関にはなれても横綱にはなれない。彼はね、勝率8割なんです。史上最強の大関なんですけどね。

三宅 昔ね、栃木山という名横綱が「根性さえあれば、新弟子は体が小さいほうがいい」と言っていた。

中澤 稽古で技を磨けば、日馬富士や鶴竜のように、小さくても横綱になれるんですものね。人材発掘のため、協会は新たに「三段目最下位格付け出し」制度を設けることを承認しました。新弟子検査の前日まで25歳未満が対象で、全日本選手権、全日本実業団選手権、国体成年個人の3大会のいずれかで、8強以上の成績を収めた者に資格が与えられるんです。

三宅充:1930年、東京都生まれ。読売「大相撲」編集長を経て、相撲ライターに。戦後大相撲の生き字引的存在。大相撲の著書多数。

中澤潔:1934年、広島県生まれ。報知新聞記者、毎日新聞記者として相撲や水泳などを取材。89年に退社してフリー。著書に「大相撲は死んだ」(宝島社新書)。

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