芸能
Posted on 2016年05月22日 17:57

小遊三・たい平らが明かす「笑点」50年!ここだけの噺!(3)春風亭昇太が見せた“大岡裁き”

2016年05月22日 17:57

20160526y3rd

 週刊アサヒ芸能は5月19日号「笑点の焦点」で、新メンバーに30人もの噺家が候補になっていることを書いた。どう選ばれたのかを考えれば、新出演者の正体もわかるのではないか──小遊三が明かす。

「いやあ、ビックリしましたよ。番組との接点も、前ぶれもまったく何もなかったんですから。お呼びがかかってプロデューサーのところに行ったら、説明も何もなく『これからレギュラーでやるから』って。『よろしくお願いします』って言ったら、それから3、4カ月、全然うんともすんとも言ってこなくて。ドッキリカメラかと思いましたね」

 80年には三遊亭小圓遊が病死する。プロデューサーに「つなぎだから、とりあえず座ってろ」と言われ、8年間も出演した才賀はこう笑う。

「急にだったので、若手大喜利で小圓遊師匠と組んでいた僕が抜擢されたらしいんですが‥‥その日は師匠の一件も知らなくてゴルフをしていたんですよ。ホールのスピーカーから、『電話がかかってる』って放送が流れてきまして。プロデューサーが僕に『お前が大喜利メンバー昇格だ』って言うんです。師匠死亡の報から2時間後に電話してきたそうです」

 たい平も若手大喜利からの昇格組。こん平の病気休演により、急きょ若手大喜利優勝者が、代役で出られることになった。

「弟子の僕が師匠の座布団を死守する」

 というたい平の意気込みも当初は空回り。出す答えが全てすべってしまう。そのピンチを救ったのは、若手大喜利の司会だった現メンバー・春風亭昇太(56)だった。

「あとから聞いたら『困ったよ、お前一つもおもしろいこと言わねえからよ』と、すごく焦ったそうです。弟子の僕が代役をするのがいちばん自然だと思ってくれていたけど、すべるから座布団をあげられない。そこで『そうだ! 他のヤツの座布団を取り上げればいいんだ!』って気がついたそうで(笑)」(前出・たい平)

 昇太の“大岡裁き”により優勝して、2年後には昇太とともに正式メンバーとなったたい平。10年たった今、去りゆく歌丸に贈る惜別の言葉とは──。

「楽屋でつらそうになさってる時も、高座の袖にシュッと立ったら、さっきまでとは別人の師匠がそこにいらっしゃるんです。座布団に座るとそこから1時間、よどみなく、滑舌もよくおしゃべりしてお客さんを笑わせて。師匠は落語に関しては、ご自分にすごく厳しくて、そこが本当にかっこいい。きっちりした人情話もすごく滑稽な話も得意で、さらに『笑点』があって‥‥」

 歌丸を間近で見た12年間は、本当に勉強になったという。

「師匠たちが積み重ねてきた50年があって、『笑点』は日本の日曜日の夕方になくてはならない故郷のような原風景になりました。僕たちは新しいことを取り入れながらも、それを守っていきたいと思います。長生きしていただいて、100歳の歌丸師匠がやる落語を僕たちに見せてほしいと思います」(前出・たい平)

 50年がたち、一つのサゲを迎えた「笑点」。だが、新たな出囃子はもう鳴っているようである。

カテゴリー:
タグ:
関連記事
SPECIAL
  • アサ芸チョイス

  • アサ芸チョイス
    社会
    2025年03月23日 05:55

    胃の調子が悪い─。食べすぎや飲みすぎ、ストレス、ウイルス感染など様々な原因が考えられるが、季節も大きく関係している。春は、朝から昼、昼から夜と1日の中の寒暖差が大きく変動するため胃腸の働きをコントロールしている自律神経のバランスが乱れやすく...

    記事全文を読む→
    社会
    2025年05月18日 05:55

    気候の変化が激しいこの時期は、「めまい」を発症しやすくなる。寒暖差だけでなく新年度で環境が変わったことにより、ストレスが増して、自律神経のバランスが乱れ、血管が収縮し、脳の血流が悪くなり、めまいを生じてしまうのだ。めまいは「目の前の景色がぐ...

    記事全文を読む→
    社会
    2025年05月25日 05:55

    急激な気温上昇で体がだるい、何となく気持ちが落ち込む─。もしかしたら「夏ウツ」かもしれない。ウツは季節を問わず1年を通して発症する。冬や春に発症する場合、過眠や過食を伴うことが多いが、夏ウツは不眠や食欲減退が現れることが特徴だ。加えて、不安...

    記事全文を読む→
    注目キーワード
    最新号 / アサヒ芸能関連リンク
    アサヒ芸能カバー画像
    週刊アサヒ芸能
    2025/7/22発売
    ■620円(税込)
    アーカイブ
    アサ芸プラス twitterへリンク