社会
Posted on 2017年01月30日 05:55

秋津壽男“どっち?”の健康学「ダイエットに効果的なウオーキングとは?食前と食後でリスクも痩身にも大きな差が」

2017年01月30日 05:55

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 忘年会や新年会が続き、太ってしまった方も少なくないと思います。肥えた腹回りを細くしようと運動するのはとてもいいことですが、最初は軽いウオーキングから始めてください。

 マラソンブームの昨今、ジョギングも流行していますが、運動慣れしていない人が急にジョギングをするのはとても危険です。なぜなら、スポーツ中の突然死で最も多いのはジョギングだからです。ジョギングは1人でできて大した道具もいりませんが、心拍数が上がりやすく、着地のたびに体重の3~4倍の負荷がかかるため心臓の負担が大きく血圧も上がりやすいのです。

 対してウオーキングは、取り入れた酸素が体内の脂肪やグリコーゲンを燃焼してくれます。筋肉も適度につきますし、痩せやすい運動です。「まずはウオーキングから」と覚えておいてください。

 さて、そんなウオーキングをするのにふさわしい時間帯は「食前」と「食後」のどちらでしょう。

 人間の体が痩せるのは「空腹を感じておなかがグーっと鳴っている時」です。空腹中は血液の糖分や血糖値が下がっており、脂肪燃焼のチャンスタイムです。

 逆に、食後の血糖値が高い状態で運動をしても、エネルギーとして血液中の糖が使われてしまい、脂肪は燃焼されません。

 つまりダイエットのための運動は食前にするべきで、昼食前、夕食前はいずれも適した時間帯です。

 ただし朝食前は別です。なぜなら朝は「寝ている間に汗をかくため脱水状態」であり、目覚めて交感神経が優位になり血圧が上昇、対して血液は凝固します。そんな時間に運動をすると、血圧がさらに上がって心筋梗塞のリスクを高めます。また筋肉が固まっているため、準備運動もせずに運動をすると関節や筋肉を痛める原因ともなります。

 起床後2時間以内は心臓病による突然死が多い時間帯であり、中高年には勧められません。

 また、昼食前や夕食前でも、激しい運動は控えてください。血糖値が低い時の激しい運動は、貧血や心臓発作を起こすことがありますので、あくまでも軽めの運動にすることです。暑い時期はなおさらで、熱中症などを招いてしまいます。

 サラリーマンの方がダイエットを考えるなら、帰宅の際に「バスに乗らず歩く」「1駅手前で降りる」などのくふうをして、脂肪を燃焼させてから軽い夕食をとることです。

 食事後の運動も痩せるために役立たないわけではありません。

 特に夕食後は食事で摂取したカロリーの消費ができ、新たな脂肪がつくのを防ぐことができます。ただし、夜は副交感神経が優位になり、睡魔がやってくる時間帯でもあります。そんな時に運動をすると、再び交感神経が先立ち寝つきが悪くなります。

 規則正しい生活を壊さずにダイエットするなら、昼食前か夕食前の運動がベストなのです。

 もっとも、運動も楽しくなければ長続きしません。例えば帰宅前にウオーキングをするなら歩数を数えてみたり、変わりつつある街並みを眺める、街の写真を撮りながら歩く、日によってコースを変える。こんなくふうにより、楽しさを見いだしてください。1人で歩くのがつまらないなら、食前に夫婦や子供たちと一緒に話をしながら歩くのもいいでしょう。もちろん食後といえど、適度な運動は健康を保ってくれます。

 犬を飼っているなら散歩がてらのウオーキングで、人も犬も健康になれます。

■プロフィール 秋津壽男(あきつ・としお) 1954年和歌山県生まれ。大阪大学工学部を卒業後、再び大学受験をして和歌山県立医科大学医学部に入学。卒業後、循環器内科に入局し、心臓カテーテル、ドップラー心エコーなどを学ぶ。その後、品川区戸越に秋津医院を開業。

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