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稀勢の里&高安 田子ノ浦部屋W快進撃を支えた“反骨力”

 浪速の土俵で最後まで新横綱としての意地を見せた稀勢の里(30)。満員札止めが続いた春場所では、弟弟子の高安(27)も、終盤まで優勝争いに絡む活躍ぶりだった。同部屋力士のW快進撃を支えた“反骨力”とは──。

「急に強くなることを相撲界では『化ける』と評しますが、確かに高安は大化けした。部屋での稽古相手は稀勢の里しかいない。三番稽古で稀勢の里を凌ぐことは即強くなることにつながる。今の大関陣を見ていると、照ノ富士は足に爆弾を抱えて安定度に欠けるし、豪栄道も頼りない。もし高安が昇進したら、スケールの大きい、綱を狙える大関になるでしょうね」

 こう語るのは相撲ジャーナリストの中澤潔氏だ。

 稀勢の里と高安は初日からそろって10連勝。同部屋コンビとして13年ぶりの快挙を達成した。高安にいたっては、6日目には照ノ富士を相手に、電車道で一気に押し出す、強い相撲を見せつけた。

 高安は母親がフィリピン人で、南国気質のせいか、

「見た目のとおり開けっ広げでおおらか。気は優しくて力持ちというお相撲さんを絵に描いたようなキャラクターです」(前出・中澤氏)

 一方の稀勢の里も、今は亡き鳴戸親方(享年59)直伝の猛稽古で肉体を鍛え、根性を養った。この2人が切磋琢磨しているのだから、これはもう鬼に金棒というわけである。

 問題があるとすれば、師匠の田子ノ浦親方(40)だ。

 相撲関係者が言う。

「田子ノ浦親方、稀勢の里、高安は3人とも鳴戸親方のもとで育った。早い話、弟子2人は師匠の裏も表も全部知っているわけです。ことに、田子ノ浦親方は現役時代からあっち系の店に隠れて通っていたことなど、洗いざらい知っている。なのに、現役時の実績ではるかに勝る若の里(40)=現・西若親方=を差し置いて師匠になったのが納得できない。とりわけ、稀勢の里は若の里の付け人でしたからよけいに許せない。一門の連合稽古では、親方の指導を無視する姿も目撃されました」

 稀勢の里より入門が3年遅い高安も、「親方嫌い」で知られているが‥‥。

「周囲への気配りを怠らないA型の高安は、稀勢の里とは性格が正反対で、そこまで露骨に態度で示すことはないが、親方と距離を置こうとしているのは明らかです」(前出・相撲関係者)

 そんな高安は、反骨精神でがっぷり結束する稀勢の里と同郷で茨城県出身。

 趣味は音楽鑑賞。相撲界きっての美声と言われるが、それもそのはず、幼少時には父親がヤマハ音楽教室に連れていって、ピアノを習わせていた。

「運動センスも抜群で、中学時代は野球部に所属し、センターを守っていた。小学校時代からの幼なじみにタレントの秋元才加がいて彼女とは公認の仲。大相撲中継でよくゲスト観戦しています」(スポーツ紙記者)

 父親の勧めで中学卒業と同時に鳴戸部屋に入門し、その体は師匠の鳴戸親方から「ゴムマリのようだ」と評されたという。つまり、柔軟性に富み、ケガをしにくい体だと言われたのだ。

 だが、角界一の猛稽古で鳴らした厳しさに耐えられず、脱走を繰り返したこともある。

「4度目の脱走では、親方が連れ戻しに来たが、赤信号で停車した隙に、乗っていた車から飛び出した。これには、親方も頭を抱えたといいます」(担当記者)

 それでも努力を重ね、11年に新入幕を決めた。

 そんな高安に変化が見られたのは今年の初場所のこと。9日目、1敗を守る横綱白鵬に対し初めてかち上げていき、圧倒したのだ。

「その日に初黒星を喫した兄弟子の初優勝を後押しするばかりか、2横綱3大関を撃破。今場所活躍の下地を作ったのです」(前出・スポーツ紙記者)

 1場所15日制が定着した1949年夏場所以降、関脇の無傷10連勝以上は14人目。過去13人はいずれも横綱、大関に昇進している。最後に前出・中澤氏が言う。

「実に頼りない大関陣、負けを重ねる横綱と違って、相撲がおもしろくなってきたのは間違いありません」

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