政治

鈴木哲夫の政界インサイド「財務省文書の疑惑に浮上『省内リーク説』の背景」

 森友学園への国有地売却を巡る財務省決済文書の書き換え疑惑を朝日新聞が報じた。永田町では検察筋からのスクープ記事との見方がある一方で、この情報は安倍官邸に不満を持つ財務省からリークされたという見方も広まっている。

 それほど、安倍政権と一部の官僚との間で今、摩擦が生じているというのだ。働き方改革から裁量労働制の全面削除を招いた厚労省のデータ捏造の背景にも摩擦があったという。

 裁量労働制とは、専門職に就く労働者を中心に、賃金を労働時間ではなく成果の対価として払うという制度。つまり、仕事の進め方は本人の裁量に任される。

 これを安倍政権では専門職以外にも拡大を目指した。それを支えたのが厚労省のデータ。通常の労働者よりも裁量労働制の労働者のほうが労働時間は短く、自由な生活を謳歌しているというものだった。

 しかし、この15年のデータ計算がまったくのデタラメと判明。2月28日までに異常値は累計400件を超えた。これは野党の求めに応じて算出したデータで、「どうせ野党だからと適当な計算で済ませたに違いない」(自民党厚労族議員)という声も上がるほどだ。

 だが、厚労省大臣官房にいたOBはこう話す。

「これは労働政策審議会から厚労省に提出を求められた。が、どう計算しても裁量労働制のほうが長時間労働という結果になってしまう。官邸は裁量労働制拡大という出口を決めている。なのに、否定するようなデータを出せますか? そんな時、過去に野党に出したデータが残っていたため、これを使おうということになったのでは‥‥。官邸の内閣人事局が官僚の人事権を握っている中で、プレッシャーを感じない官僚はいない。結局は忖度して数字を準備したのでしょう」

 一方で、忖度したわりには厚労省内の空気は冷めたものがあるという。安倍首相を支える自民党細田派の議員はこう話して、厚労省の態度をいぶかる。

「裁量労働制に関して、政権は完全な黒星を喫した。本当なら厚労省の官僚はクビを差し出して、安倍首相を守るべきところなのに、答弁のデータすら吟味して出している様子がない。加計学園問題で噴出した『官邸vs文科省』と同じ構図なのではないか。頭越しに何でも決めてしまう官邸に対して、省庁側が不満を抱いているわけです」

 安倍政権が掲げてきた1億総活躍、女性活躍、働き方改革、どれもが厚労省の所管。それだけに恨みも大きい。前出とは別の厚労省OBが話す。

「こちらが法案やデータを準備しても、最後は官邸がさらっていく。さらに安倍首相直轄の担当大臣に集約され、主旨の違う形でまとめられることも多々ある。『自分たちは下請けじゃない』という不満は、厚労省の現場に根強くあるのです」

 さらに、野党の質問も詳細にわたっている。そのため、バックに厚労省がいるとの疑念が強まり、データ捏造の省内リーク説が真実味を帯びている。前出・細田派議員が言う。

「官邸主導への不満分子を放っておけば、総裁選へ向けてリスク要因を増やすことになる。国会で野党の追及が続けば内閣支持率が下がる可能性が高い。リスクは徹底して摘んでおかねば‥‥」

 官邸による政治主導はあるべき姿だが、抑圧された官僚たちの抵抗が表面化しつつある。そんな中で飛び出した財務省の決裁文書の書き換え疑惑。内なる敵をどう抑えていくのか。

 安倍官邸は強さゆえの難題を抱え込んだようだ。

ジャーナリスト・鈴木哲夫(すずき・てつお):58年、福岡県生まれ。テレビ西日本報道部、フジテレビ政治部、日本BS放送報道局長などを経てフリーに。新著「戦争を知っている最後の政治家中曽根康弘の言葉」(ブックマン社)が絶賛発売中。

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