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江本孟紀×谷繁元信「ノーサイン対談」(2)根尾に遊撃手を任せるべき

谷繁 投手力という面で言えば、昨季最下位に終わった阪神は、いい補強をしたと思います。FAでオリックスの西勇輝が加入。さらに中日を自由契約になったガルシアも獲得しました。昨季、西は10勝、ガルシアは13勝を挙げています。しかもガルシアは広島、巨人を得意にしている。2桁を計算できる先発投手が2枚加わったのは戦力的には大きいですよ。

江本 NPB在籍9年で通算95勝と抜群の安定感を誇るメッセンジャーがいて、先発として2桁勝てる能力はある藤浪が復活すれば十分優勝争いはできますよ。そもそも戦力的に見て、阪神は最下位に低迷するチームではないんですから。

谷繁 阪神のポイントは、打線ですよね。昨季はロサリオが大誤算。2月の春季キャンプで見た時は、レフトスタンド場外に消える特大ホームランを打ったかと思うと、ライト方向に飛んだ打球もスタンドイン。広角に打ち分けるバッティングを見て、阪神のAクラスを確信したのですが、見事に裏切られました(笑)。

江本 昨季、阪神のチーム本塁打はリーグワーストの85本。投手力だけを見るとAクラスなので、やっぱり浮上の鍵は貧打を解消できるかに尽きる。ところで谷繁の古巣でもある中日には、超高校級ルーキーの根尾が入団したけど、もし監督だったらどんな育成をする?

谷繁 6年連続Bクラスの中日にとっては、久しぶりに明るい話題になりました。中日の遊撃手には17年の新人王で、昨季ゴールデングラブ賞を初受賞した京田がいますが、僕が監督だったら、京田をセカンドにコンバートして、1年目から根尾を遊撃手で出場させると思います。あえて競い合わせるのではなく、ポジションを与えて育てるというやり方もあると思いますが、根尾は立浪さんと同じで、その器です。そして、広島の田中&菊池を超える、12球団最強の二遊間コンビを形成する。毎年優勝争いに加わっていた時のような常勝軍団に変貌するためには、遊撃手・根尾は欠かせないと思います。

江本 昨季4位に終わったDeNAは、今永、濱口、石田など、伸び盛りの20代のサウスポーが出てきて、打線では筒香がいて宮?もいる。また昨季107試合の出場ながら41本塁打でホームラン王を獲得したソトも。本来なら優勝争いに絡むことができる戦力は十分あるけれど、最後までかみ合わなかった。前年まではレギュラーを固定してうまくいってたのにね。

谷繁 早めの継投策が悪いというわけではないのですが、昨季はそれが裏目に出ることが多かったと思います。リードしている展開でも5回、6回で先発投手を交代することが目立ちました。その結果、中継ぎ投手が疲弊し、逆転を許すケースも少なくありませんでした。

江本 先発を任された若手の投手たちが伸び悩んでいるのも、そこが大きな要因なんですよ。あえて実戦の中で長いイニングを投げさせないと、いつまでたっても先発投手としてのスタミナはつきませんよ。だから新人王を獲った東も今季が心配です。あと、8番に投手を置くオーダーを組んでいるけど、あれも疑問。データを重視しているっていうけど、ほとんど結果が出ていませんよね。DeNAは、ラミレスの采配しだいでしょう。

谷繁 昨季、2位になったヤクルトは出塁率の高い坂口、青木、山田らが塁に出て、4番のバレンティンが打って点を取るというパターンができていた。バレンティンもしっかり4番の役割を果たし、打点王を獲得。セ6球団の中でセオリーどおりの野球をやったのがヤクルトだと思います。昨季のように他球団が自滅してくれたら、上に行く可能性はありますね。

■江本孟紀(えもと・たけのり):1947年、高知県生まれ。高知商、法政大、熊谷組を経て、プロ入り。東映フライヤーズ、南海ホークス、阪神タイガースで活躍。プロ11年間で通算113勝を挙げ、開幕投手を6回務めた。現在は「サンケイスポーツ」のほか、ニッポン放送などでプロ野球解説を行う。400万部の大ベストセラー「プロ野球を10倍楽しく見る方法」(KKベストセラーズ)など著書多数。昨年9月に「変革の檄文 プロ野球を100倍楽しくする方法」(小社刊)を上梓。

■谷繁元信(たにしげ・もとのぶ):1970年、広島県生まれ。江の川高を経て、ドラフト1位指名で大洋に入団。02年にFAで中日に移籍。14~15年に選手兼監督、16年に専任監督を務めた。NPB史上最多の3021試合に出場し、2108安打、打率.240、229本塁打、1040打点。捕手としてゴールデングラブ賞を6回受賞。5度のリーグ優勝(2度の日本一)を経験。現在は「日刊スポーツ」野球評論家ほか、ニッポン放送などで野球解説を行う。

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