社会
Posted on 2019年07月01日 05:55

医者のはなしがよくわかる“診察室のツボ”<咳喘息>「中高年の間で急増。雨や長電話が引き金に」

2019年07月01日 05:55

 会社員のBさんは風邪が完治したにもかかわらず、2週間以上、咳が止まらなかった。そこで、近くの耳鼻科を受診した。

医師「どんな咳が続いていますか」

Bさん「空咳が続いています」

医師「咳に痰が絡んでいますか」

Bさん「痰は出ていません」

医師「発熱症状は」

Bさん「平熱です」

医師「どんな時に咳は出ますか」

Bさん「夜中や朝方に多いです。長話をした際、喉がかれたりもします」

 胸部レントゲン検査や肺活量検査も受けたが、異常なし。医師の診断は「咳喘息」だった。

 近年、中高年の患者が増えている「咳喘息」は咳が出るものの、呼吸はさほど苦しくなく、ヒューヒューといった喘鳴音が出ない、喘息の前段階の状態だ。冷気や雨、タバコの煙、長電話、寒暖差がきっかけで咳が出る。時間的には早朝や布団に入った直後は特に注意が必要だ。

 花粉症やアトピー性皮膚炎などを持つ人がなりやすく、ハウスダストやカビ、ダニなどが原因で発症することもある。

 一方、「喘息」は、呼吸がかなり苦しくなり、ヒューヒューと喘鳴音が鳴るのが特徴だ。

「咳喘息」を放置すると、こうした本格的な喘息に移行してしまうことがあるので、早めの治療が必要になってくる。

 発作が起こった際には、アレルギーの炎症を抑える吸入ステロイド薬を使用するのが一般的。医師に指示された回数を守って使用すれば、3~4日程度で症状の改善が見られることが多い。

 吸入薬は症状がよくなっても、自己判断で中止せず、医師の指示に従うことが重要だ。

 2週間以上咳が続いたら、早めに専門医(呼吸器科・アレルギー科・耳鼻咽喉科)の受診を心がけて。

田幸和歌子(たこう・わかこ):医療ライター、1973年、長野県生まれ。出版社、広告制作会社を経てフリーに。夕刊フジなどで健康・医療関係の取材・執筆を行うほか、エンタメ系記事の執筆も多数。主な著書に「大切なことはみんな朝ドラが教えてくれた」(太田出版)など。

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