スポーツ
Posted on 2013年04月02日 09:59

掛布雅之、阪神メッタ斬り「20本塁打するマートンを…」

2013年04月02日 09:59

 得点力不足が叫ばれた昨年のタイガースですが、それはしっかりとした「打線の間」が作れなかったことにあります。右肩を負傷した金本を強引にレフトとして出場させたのも、和田監督が打線の「間」を必要としていたからですね。本来、投手との勝負において、打者は多少のニラミを利かせて自分に有利なカウントに持っていく必要があります。僕は現役時代に4番を張りましたが、ニラミを利かせて2ボール2ストライクまでカウントを作ったりして、打席を優位に進めました。ですが、今の阪神の打者は仕掛けが早く、投手有利のカウントで勝負させられてしまう打者が多い。結局、打線にしっかりとした「間」を作れず、淡泊な攻撃になってしまうんです。

 今年の4番候補にあがっている新井貴浩、良太の兄弟もそのタイプの打者です。自分でカウントを作って勝負できない。出たとこ勝負のカウントなんです。

 要は技術的なものです。ボールの見極めに対する自信がないため、追い込まれる前に打ってしまう。兄の貴浩に「外のスライダーを何で待てないの?」と聞くと「いやぁ、振ってしまうんですよねぇ」と答えていたのを覚えています。

 仮に2アウトでランナーがいて、4番打者が初球を右前安打してガッツポーズ‥‥って、うれしいですか。1球目、外の球をうまく打ったってね‥‥必要ないでしょう。

 打者にはそれぞれ、投手との間に「見極めの壁」があります。その「壁」から外れた時は見極められますが、新井兄は打ちたい気持ちが強く、我慢できずに振ってしまう。こればかりは僕の経験上、どうしようもありません。きっと彼もスコアラーと「この投手はカウント1─1からボール球を振らせてくる傾向がある。2ストライクになってもいいから一回見逃したほうがいい」というミーティングをしていると思います。それでも振ってしまう怖さがあるんです。一度そうなると悪循環が待っている。新井兄もそれにハマって、ああなってしまったわけです。

 一方、弟の良太は昨年の後半から打ちだしただけ。いわば伏兵です。開幕4番の第一候補だとは思いますが、1年間を彼に任せることには不安がある。今年、もし彼が4番を打つのなら、各球団のマークは昨年とは比べ物になりません。

 今の阪神に必要なのは、金本の引退でいなくなったチームのキャプテンです。そこで、生え抜きの鳥谷を4番に据えて、チームを任せてしまうのが僕はいちばんいいと思います。

 今までタイガースは、金本なり新井なり、試合の勝ち負けを広島から移籍してきた選手に背負わせていました。中長期的に見て、鳥谷のあの打撃を生かすためにも、三塁にコンバートしてもいいかなと思います。「4番・サード・鳥谷」という形を作ってしまう。そして鳥谷にチームの勝敗の責任を負わせるんです。生え抜きの選手をチームの「顔」のような存在にさせてしまうのがいちばんいい。WBCでもあれほど大胆な決断(台湾戦での9回二死からの二盗)ができるわけですから。今年の阪神でいちばん注目しているのは鳥谷なんですよ。彼が全てにおいて野球を変えてくれるんじゃないかと思っています。

 ただ、今シーズンは間に合いませんから、そうなると考えられるのがマートンの4番起用です。1番・西岡剛、2番・大和、3番・鳥谷、4番・マートン。今年の彼は、ボールに角度をつけるなど、ポイントゲッターとしての打ち方にシフトチェンジしています。現段階で、確実性もありながら本塁打を20本打てる選手はマートンぐらいなんですよ。

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