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記事全文を読む→天才テリー伊藤対談「喰始」(2)猫ひろしの人気は喰さんの助言から
テリー ところで喰さん、コロナ対策って何かされていますか。
喰 テリーさんもそうなんだけど、僕らの世代は戦争体験こそなかったですけど、「戦後」という怪しげでちょっとおもしろい時代に生きてきたじゃないですか。東京オリンピックや学生運動、そこからオイルショック、バブルがあって‥‥そこに加えて、まさか生きているうちに世界的なパンデミック体験ができるとは思ってもみなかった。それも日本だけじゃなくて世界中で起きているとなると、不謹慎な話かもしれないけれど「これはおもしろがって生きていかないとダメだ」という感じがあるんですよ。
テリー ああ、それはなんとなくわかります。
喰 思うに、エイズやガンみたいに全ての病気とは結局、共存するしかない。やっぱり今回のことでいちばん思うのは、「ならば、自分はどう生きるべきか」ということかな。エンターテインメントの業界も、これから多少は変わってくると思いますし。
テリー それは、どういうふうに?
喰 大きい劇場でやっている商業演劇は、実は、コロナ騒動以前から、昔ほどお客が入ってないんですよね。
テリー そうなんですか。
喰 演歌の大御所の1カ月公演もやれなくなっているし、人気の劇団も外部から有名スターをいっぱい呼んできて、やっと興行が成り立っているような感じでしたから。でも、コロナが収まったところで、この状況がすぐに元に戻るとは思えない。大きい劇場なら席を離してお客を入れる状況で、本当なら1000人入るところを500までチケットを限定して売るとか、そういうところから始まっていくと思うんですよ。
テリー なるほどね。
喰 ところが、小さい舞台なら30人も入れば劇場が埋まっている感があって大丈夫なんですよ。だから、WAHAHA本舗の中に「娯楽座」っていう若手の劇団があるんですが、そこから「ネオ大衆演劇」を展開したいと思うんです。
テリー 僕がWAHAHA本舗を貴重だと思うのは、今のエンターテインメントってイケメンばっかりじゃないですか。なのに‥‥。
喰 うちにはイケメンも美人も来ないからね(笑)。他の劇団で落ちて、行き場がない人が集まっているから。野村(克也)野球みたいな、他で相手にされない人の再生工場ですよ。
テリー そういう人たちを相手にどういうアドバイスをするんですか。
喰 そうですね。例えば、猫ひろし。
テリー 猫ちゃん、おもしろいですね。
喰 彼は最初、うちのお笑いライブにフリーで来たんですよ。ブリーフ姿でネタは同じようなことをやっているんですが、やっぱりウケない。案の定、「いちばんつまらなかったのは?」というアンケートで1位になるんですよ。でも「最も気になる、もう一回見てみたいのは?」の1位も彼なんです。だから、ブリーフを競技用の海水パンツにはき替えて、常に小ぎれいでいろ、とアドバイスした。
テリー なるほど。
喰 要は白木みのるさんの線を狙ったわけ。変なことをやっていても見た目はかわいい、というギャップで人気が出るんじゃないかと。まあ、もののみごとに当たりましたけれど、当時はトークが全然ダメだから、結局は一発芸人になっちゃいましたけどね。
テリー なるほど、ネタだけでなく、あらゆる角度から芸人の魅力を引き出していくわけですね。これはすごいなァ。
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