エンタメ

あのモンスター視聴率ドラマ「伝説の最終回」(4)男女7人夏物語・池上季実子

20131107q

 今年、デビュー40周年を迎えた池上季実子(54)。その長い女優生活の中で、2本の高視聴率ドラマに出演している。まさに“持っている”女優と言うにふさわしく、出演当時、「絶対数字を取る!」と予言し、そのとおりにもなったという。貴重な証言を聞こう。

「とにかくハードな毎日でしたね。朝は7時から横浜・緑山スタジオ入りし、翌朝の4時くらいに自宅に戻り、また朝7時に緑山入りする繰り返し。みんな元気だなーと思うくらいパワフルでした。連日寝不足だったけど、楽しかったですね」「男女7人夏物語」(TBS系)は、7人の男女のひと夏の出会いと別れを描いた連続ドラマ。全10回放送で平均24.2%、最終回31.7%(ビデオリサーチ調べ・関東地区)を記録した。放送当時の86年、若い男女の恋愛を真っ正面から描いた初めての恋愛ドラマだった。また、お笑いブームで人気者になった明石家さんま、片岡鶴太郎のドラマ出演、さんまと大竹しのぶの熱愛など話題満載で、世間の注目を集めた。

「さんまさん、鶴太郎さんが『笑っていいとも!』のレギュラーで、朝10時半に抜けるんです。帰ってくるのは夜9時過ぎ。その間2人のいないシーンを撮って、そろったところで7人のシーンを撮るんです。ランスルー(通し稽古)が終わる頃、脚本の改定が来て、もう1回セリフ合わせして。2、3回やっただけですぐ本番でした」

 いくら役者といっても、そんなにすぐにセリフを覚えられるものなのか。

「出演者全員のキャラクターが『自分のことを知ってるの?』というくらい、それぞれの性格に近かったから、抵抗なくセリフが体に入ってしゃべれたんですよ。7人がみごとに仲よくて、いつもワイワイやってました。そういう現場は少ないんです。出番のない人たちが集まっては、おしゃべりしてましたから」

 とはいえ、長すぎる「さんま待ち」「鶴太郎待ち」にしびれを切らす日々だったのも確か。しかし、池上にとって出産後初の女優復帰ドラマで、掛け持ちなしの全力投球。気合に満ち満ちていたという。

「天ぷら屋さんで日本酒を飲むシーンの時、下戸のさんまさんはずっとお水を飲んでたんです。本番前、美術さんに頼んで、本物に取り替えちゃいました。本番でくっと飲んださんまさん、『うっ』という顔して。みんなそれを見ても知らん顔でそのまま芝居。あの時のさんまさんの顔、おもしろかったな。本番終わって、みんなで大爆笑。イタズラはよくやりましたね」

 目を白黒させながらも芝居を続けたさんま、あっぱれな役者根性だったようだ。

 当時週刊誌で「抱かれたくない男ナンバーワン」に選ばれた鶴太郎は嫌われ男の筆頭だったが、池上をいちずに思う心優しきブサメンを熱演、演技派俳優にイメチェンした。

「鶴太郎さんはすごく真面目で謙虚な方。ただ、役者が考える感覚とは違う突拍子もないことをやったりするから、プーッと噴いちゃうことがよくありました。おふたりがしゃべるだけで雰囲気がよくなるみたいな、そういうムード作りをしてくれました」

 池上は水谷豊の妹役を演じた連続ドラマ「熱中時代」の最終回(日本テレビ系・78~79年)で、40.0%を記録した瞬間も体験している。

「水谷さんにもさんまさんにも『これ、絶対数字取る』って言ったら、両方とも取っちゃって。高視聴率を取れた秘密は、この間まで私がハマっていた『半沢直樹』と同じだと思います。ドキドキワクワクさせてくれて、次が見たくなる。その当時もまったく同じで『録画じゃイヤ、今見たいの』という気持ちの視聴者ばかりだったんですよ。出演者やキャストさえ先を争って見たくなる。そんなおもしろいものをやれば、数字は上がるんです」

カテゴリー: エンタメ   タグ: , , , , , , , , , ,   この投稿のパーマリンク

SPECIAL

アサ芸チョイス:

    ゲームのアイテムが現実になった!? 疲労と戦うガチなビジネスマンの救世主「バイオエリクサーV3」とは?

    Sponsored

    「働き方改革」という言葉もだいぶ浸透してきた昨今だが、人手不足は一向に解消されないのが現状だ。若手をはじめ現役世代のビジネスパーソンの疲労は溜まる一方。事実、「日本の疲労状況」に関する全国10万人規模の調査では、2017年に37.4%だった…

    カテゴリー: 特集|タグ: , , , |

    藤井聡太の年間獲得賞金「1憶8000万円」は安すぎる?チェス世界チャンピオンと比べると…

    日本将棋連盟が2月5日、2023年の年間獲得賞金・対局料上位10棋士を発表。藤井聡太八冠が1億8634万円を獲得し、2年連続で1位となった。2位は渡辺明九段の4562万円、3位は永瀬拓矢九段の3509万円だった。史上最年少で前人未到の八大タ…

    カテゴリー: エンタメ|タグ: , , , |

    因縁の「王将戦」でひふみんと羽生善治の仇を取った藤井聡太の清々しい偉業

    藤井聡太八冠が東京都立川市で行われた「第73期ALSOK杯王将戦七番勝負」第4局を制し、4連勝で王将戦3連覇を果たした。これで藤井王将はプロ棋士になってから出場したタイトル戦の無敗神話を更新。大山康晴十五世名人が1963年から1966年に残…

    カテゴリー: エンタメ|タグ: , , , , , |

注目キーワード

人気記事

1
2軍暮らしに急展開!楽天・田中将大⇔中日・ビシエド「電撃トレード再燃」の舞台裏
2
不調の阪神タイガースにのしかかる「4人のFA選手」移籍流出問題!大山悠輔が「関西の水が合わない」
3
ボクシング・フェザー級「井上尚弥2世」体重超過の大失態に「ライセンスを停止せよ」
4
「メジャーでは通用しない」藤浪晋太郎に日本ハム・新庄剛志監督「獲得に虎視眈々」
5
水原一平が訴追されて大谷翔平の「次なる問題」は真美子夫人の「語学力アップ」