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落合博満 最後の講演会で語った“たけしの直言”&“谷繁引退”

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「この仕事になった以上は、しゃべれることとしゃべれないことがある。こういうナマの声を聞くのは恐らく今日が最後」。中日ドラゴンズGMという立場上、以前のように自由に球団ネタを話すわけにはいかなくなった、とおっしゃるのは「ミスター・オレ流」だ。あの本音トークもこれで聞き納めか‥‥ということで、「ラスト講演会」を堪能レポート!

 1月19日、名古屋市内のホテル。ウェスティンナゴヤキャッスルでは、昨年限りで現役を退いた前中日・山崎武司氏(45)の引退記念パーティが盛大に開かれていた。一方、名古屋国際ホテルで催されたのは、中日・落合博満GM(60)のトーク&ディナー、1万2000円ナリ。立食ブッフェ形式の食事と講演会がセットになった豪華版である。

 まずは食事会場で生ハムサラダやミートボール、サーモンソテーなどの料理とお酒を1時間楽しんでから、ホロ酔い気分で講演会の大会場へと移動。

 冒頭で「しゃべれないことがある」と釘を刺したとおり、ロッテ入団時の昔話からスタートし、そのまま現役時代を振り返る展開となった。球界初の1億円プレーヤーとなった話題では、意外な人物の名前が飛び出す。

「ある時、たけしさんと仕事をして‥‥」

 と切り出したのだが、もちろんこれはビートたけし(67)のこと。

「(たけしが)稼いでる金は俺らの数十倍。そういう話の中で『ところでお前、いくらもらってるんだ?』と聞かれた。『ゴルフ、競輪、競馬、競艇‥‥このトップクラスはみんな(年収)1億円を超えてもう2億円に届く時代。何で日本でいちばん人気のある野球で1億円いかないんだ?』と聞かれたんです。三冠王を2回も3回も獲って1億円いかないということはのちのち、『あの落合でもこれしかいかないんだから、お前らそれ以上もらったらまずくねぇか』という時代が絶対に来るんだろう、と。それでオレの年俸闘争が始まった」

 1億円を勝ち取るきっかけがたけしの直言だったことをバラしたのだった。スポーツ紙デスクが当時を回想する。

「実はすでに落合氏より先に年俸1億円をもらっていた選手がいる、という噂が流れました。広島の衣笠祥雄氏(67)です。ミスター赤ヘル・山本浩二氏(67)が8000万円だった時、衣笠氏本人は『浩二よりオレのほうが安い』なんてうそぶいていましたが‥‥」

「落合氏とたけし」という意外な組み合わせに沸いたあとは、ようやく今季の中日に言及。谷繁元信選手兼任監督(43)の、選手と監督の両立がいかに大変であるかと前置きしてから、谷繁との会話を暴露した。

「お前、とりあえず(現役を)2年やれ。2年やって野村さんの3010試合か、この(出場試合)記録を抜け、と。抜いたらどうせお前、現役辞めるんだろ」

 谷繁は、監督としては4年契約を結んでいる。野村克也氏(78)が持つ記録(実際は3017試合)を、2900試合の谷繁が塗り替えるのに、兼任だと2シーズンを見ておく必要がある、ということらしい。そして記録を更新したあとは現役を引退し、監督業に専念するというのだ。

 さらに落合氏は、谷繁引退についてこうも言った。

「シーズン中に突然辞められても困るけどね。次のキャッチャーが誰もいない。誰がいる? そりゃ(控えの)小田幸平だって37(歳)になる。これからレギュラー? 恐らく無理だろう」

 中日球団関係者がこれにうなずく。

「谷繁の後継者問題がアキレス腱ではありますね。昨秋ドラフト3位の捕手・桂依央利(22)をキャンプ一軍スタートさせるくらいですから」

 この新人をポスト谷繁として谷繁の現役引退までに育成する、というプランのようである。スポーツライター・飯山満氏も言う。

「例えば、シーズン中はスタメンが谷繁で残り3、4イニングを桂。あるいはその逆のパターンになるのではないでしょうか。谷繁自身、『今日の自分があるのは、(入団)1年目から使ってもらったから』と思ってますから、捕手を育てるには1年目から使わないと」

 谷繁について落合氏は、こんな疑問も投げかけた。

「あいつケガしたらどうするんだろ。監督が二軍に行ってたら仕事にならないからね。ナゴヤ球場で二軍の試合がある時は午前中に来て、今の体の調子はどうなのかなと試合に出て慣らし、途中でナゴヤドームに帰ってきて采配を振る。これしか手はないんです」

 そしてGM目線で今季の中日の戦力を分析。

「今のドラゴンズははっきり言って弱いですよ。(高木政権の低迷で)1回タガが緩んだやつを谷繁監督がどうやってもう1回鍛え直して、うまいこと新旧交代していくかということなんだろうと思います」

 前出・球団関係者は、

「落合GMも谷繁も、巨人戦に全力で立ち向かって3連勝しても、次のカードで3連敗したら意味がない、という発想です。もちろん巨大戦力の巨人は意識するけど、どこに勝っても1勝。過剰意識しないのが秘策。明日なき戦いなんてしませんよ、ということです」

 それをサポートするのが、参謀役として落合氏が送り込んだ森繁和ヘッドコーチ(59)なのである。

「森コーチはキャンプイン前に『あいつは何勝、こいつは何勝』と投手陣をイメージする。変な期待値はかけず、いちばん少ないだろう数値で計算し、優勝ラインに二十何勝足りないとなると、あとはどうやって継投で勝つかを考える。取材した際、本人がそう言っていました。森コーチが実質的な監督となり、谷繁には報告という形であれこれ進言するでしょう。あとは『投手が一枚足りないからトレードを頼む』などと落合氏に要請する」(前出・飯山氏)

 お手並み拝見──。

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