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スポーツ紙が書かないプロ野球“裏相関図”<セ・リーグ編>(2)「原巨人が息巻く“落合潰し”」

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 中日の達川光男バッテリーコーチの誕生も古巣・広島に対する嫌がらせだ。

「広島は昨シーズン、初のCSに進出。クビ寸前の野村謙二郎監督が留任した経緯がある。そこで落合GMは達川に『お前の出る幕はないからウチを助けろ』と声をかけた。野村謙二郎監督は、山本浩二の仲介で知り合った法政OBの人脈が幅を利かせていて、生え抜き組の中でも主流派を占めている。東洋大出身の達川に出番はなく、見切りをつけたんです」(スポーツ紙広島担当記者)

 巨人への対抗心もハンパではない。落合GMは、井端弘和を放出。引退危機にあった井端に声をかけたのは、宿敵・原辰徳監督だった。原には、苦い思い出がある。かつて引退を決意した川相昌弘(現ヘッドコーチ)を落合中日が獲得。翌シーズンに活躍して、原巨人に赤っ恥をかかせた一件がある。このリベンジが井端獲得の裏にあったのだ。井端自身、中日への復讐がモチベーションになっているのは間違いない。

 昨年、川上哲治が亡くなり、巨人の本流の伝統が薄れる中、長嶋茂雄──松井秀喜の国民栄誉賞コンビが主導権を握りつつある。次期監督も松井に決まっている中、原監督もFA移籍組の活躍に活路を見いだそうとしている。しかし、昨シーズンの杉内俊哉のふがいなさと二塁手が固定されないことで日本一を逃しただけに、期するものは大きい。

 コーチ人事も、戦略コーチの橋上秀樹を打撃コーチに配置転換。その余波で、野村克則二軍バッテリーコーチはヤクルトに放り出した。清武英利元GMの遺産を一掃しているのも、原カラーを打ち出そうとする表れのようだ。

 巨人の場合、日本一を逃したら、大幅にコーチ人事が動く。誰かが責任を取らなければいけないという不文律があるからだ。

 今シーズンの原巨人があえてそれをしなかったのは、今のスタッフでもう一度、日本一を味わいたいという思いからではなかったのか。だからこそ、渡邉恒雄オーナーに「このスタッフでいきましょう」と進言しているのだ。

 井端を獲得する一方で、2000本安打まで129本に迫った谷佳知を古巣オリックスに、小笠原道大を自由契約にして、中日に送り出したのは、次世代の政権を考えつつ、交通整理を進める原監督の親心だったのかもしれない。

 そして何より日本一奪回を目指す原監督にとって、天敵・落合GMがチームを立て直す前に、徹底的に叩き潰そうという意思表示であることは、明白だろう。

◆スポーツライター・永谷脩

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