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記事全文を読む→テリー伊藤対談「小橋健太」(3)22針縫っても試合の方が大事
テリー 先日、佐々木健介さんが引退表明をしましたよね。
小橋 会見する直前に電話がかかってきたんです。「今から引退の会見をします」って。05年8月のNOAHでの対決試合の前までは、実はまったく接点はなかったんですよ。
テリー あ、そうなんですか。
小橋 お互い二十何年もプロレスをやっていたのに、初対決だったんです。だから新鮮味がありましたね。戦った以降、いわゆる友情というか、そういうものが芽生えまして。ケンカしたあとに友情が芽生えるっていう、ドラマのような感じでした。
テリー すごい死闘を繰り広げたあとの夜って、眠れるもんですか。だって、すごく痛いですよね。
小橋 1週間ぐらいたってみると、黒いアザみたいなものが下に落ちていくんですね。鎖骨にチョップを受けたところから、だんだん下に移動して、いつの間にか乳首が黒くなってたり。
テリー もっと下に移動して、アソコが黒くなったら大変だね。
小橋 いやあ、そこまではいかなかったです(笑)。
テリー 他にも、試合ではとにかく大ケガが付き物でしょう。
小橋 馬場さんは「病院に行くな」とよく言っていたんです。レスラーはそんな弱いところを見せちゃいけないと。たとえ医者であってもダメだと。だから、僕は骨を折っても病院には行かなかった。
テリー えー。そんなぁ。じゃあ、自分で湿布をしたりしたの?
小橋 はい、バンテージ巻いて、わからないようにしたりとか。スタン・ハンセンに腕をイスで殴られて、22針縫ったことがあるんですけど、その時は馬場さんの奥さんがびっくりして救急車を呼んだんです。それでも僕は「救急車には乗らない」って言って。
テリー その時は、馬場さんも現場にいたんでしょ。
小橋 いました。
テリー 馬場さんは、血だらけになってるのに「行け」とは言わなかったんですか。
小橋 ええ。腕から、何か白いものが見えてたんですけどね(笑)。
テリー 骨?
小橋 骨か何か。それでも「乗りません」って言ってたら、先輩が「馬場さんの奥さんが呼んでくれたんだから、乗れよ」って言ってくれて、それでようやく。
テリー 行ったら、22針縫われたんだ。
小橋 病院から帰って来たら、馬場さんがロビーにいたんです。僕はケガで明日の試合がなくなることが嫌だったんですけど、馬場さんは僕の顔を見て、ニコッと笑ったんです。それで「よかった。これで明日も試合があるな」と思って。
テリー でも、縫ったところは痛いじゃないですか。
小橋 バンテージで腕が曲がらないようにしてやりました。
テリー 対戦相手はそこを狙ってくるでしょう。
小橋 ああ、蹴っ飛ばされましたねぇ。縫った糸がちぎれていました。その時は、全部取れたらまた縫えばいいやと思っていました。体の傷を気にするより、とにかく試合に出られないことのほうが嫌でした。
テリー そんな感覚のレスラーって、今の時代にいるのかなぁ。
小橋 まあ、こんなバカな考えを持ってるヤツはいないかもしれない(笑)。
テリー いないですよ。俺だって、それは絶対バカだと思います(笑)。
小橋 自分でも、今考えても「バカだなあ」と思います。でも、それぐらいプロレスが好きでしたね。
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