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今週は新中京競馬場で3度目となる「高松宮記念」が行われる。過去2回は人気馬同士の堅い決着で収まったが、“世界のロードカナロア”の引退により、今年は混戦ムード。はたして、春の短距離王に輝くのはどの馬か。
昨年の覇者であり、GI6勝のスプリント界の帝王ロードカナロアが引退したことで一転、今年の高松宮記念は混戦の様相を呈している。GI勝ちの看板を掲げるのは、リアルインパクト1頭のみ。それも前走のオーシャンSでは、休み明けだったとはいえ、8着と人気を裏切っている。そのオーシャンSで圧倒的支持を得ていたハクサンムーンも失速して13着の完敗だった。女版カナロアの声も上がるレディオブオペラも、前走シルクロードSでストレイトガールにあっさりと差し切られ、化けの皮が剥がれた印象だ。
そんなこんなで抜けた馬が見当たらず、いずれが勝っても不思議はない。
6ハロン戦のこのGIは、毎度のことペースは速くなる。今回も顔ぶれからハイペース必至だ。
逃げてこその馬は、コパノリチャード、ハクサンムーン、そしてレディオブオペラの3頭。いずれも人気を集める有力馬だ。みずからのスピードを信じて駆け引きなしに行くと思われるが、この3頭に絡む先行勢ストレイトガール、スマートオリオン、レッドスパーダらも有力どころだけに、これはどう見ても緩い流れにはなるまい。
ならばその後ろ、差し脚を武器にしている馬が展開上有利にならないか。12年に新装された中京は、直線が長くなったのが特徴。好位で立ち回れ、しまい切れる馬に目をつけようではないか。
最も期待を寄せてみたいのは、そんな1頭、サクラゴスペルだ。
3カ月ぶりの東京新聞杯を使っての一戦。7着といっても勝ち馬とはコンマ4秒差だった。本番に向けて格好の“叩き台”となったと言えそうだ。
昨年のスプリンターズSも休み明けを一度使われて臨み、穴人気(4番人気)となったが、体重が12キロ減ったことが響いて11着と敗れた。今回も同じ轍を踏む‥‥と皮肉られそうだが、断じてそうならない。この時は暑さが残る9月。今回は、まだ寒い3月の競馬というところがポイントだ。
「とにかく暑さに弱い」と厩舎関係者が口をそろえるように夏場に良績がない。全勝ち鞍の7勝は11月~3月にあげたもの。このへんは知っておいて損はない。
それから、この高松宮記念は3年連続の挑戦。一昨年は9着(勝ち馬とはコンマ5秒差)、昨年は4着(同コンマ3秒差)。
一昨年はオープンに昇級したばかりで、いきなりのGI挑戦。ま、やむをえない結果だ。昨年は休み明けのオーシャンSを勝って臨んだが、落ち着きを欠いていたことを思うと“2走目のポカ(2走ボケ)”だったのではないだろうか。いずれにせよ、敗因がはっきりしていたことは確かだ。
そしてもう一つ強調しておきたいことがある。サクラゴスペルは多少、長距離輸送に弱いところがあるが、中京の両レースとも前走比の体重で大きな変動はなかった。前走の体重は484キロ。これは、この馬のほぼベスト体重だけに、期待が持てるというものだ。
1週前の追い切りでは併せ馬で軽快な動きを披露しており、尾関調教師は、
「追われてからの反応がよく、これまでと違って頭を下げ、実にいいフットワークでした」
と仕上がりぶりに目を細めていたほどだ。母系は北米のGI血脈。頂点に立つにふさわしい血統馬だ。
穴中の穴は、インプレスウィナーだ。ベストは7ハロン戦だが、前2走はともに6ハロン戦で、強烈な末脚で見せ場を作っていた。スプリント戦の対応力は十分備わっていると見た。こちらは典型的なサウスポー。充実ぶりが目立つ今なら“一発”があっていい。
そもそも堅く収まるGIとして知られる高松宮記念ではあるが、今年は様相が違って、ひと波乱ありだ。
◆アサヒ芸能3/25発売(4/3号)より
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