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記事全文を読む→「猪木VSアリ」38年目の死闘“新”事実!(4)様々な問題をくぐり抜けいつしか二人は友人に…
もちろん、猪木と新日サイドも「こういう事態になったのはアリ側の強引なルール変更が原因でまともな試合ができなかったため」という理由で損害賠償を求めた。
新間氏はアリのマネジャーのハーバート・モハメドと交渉するため、英語の堪能な弁護士と渡米した。
辣腕弁護士はハーバート・モハメドと相手方弁護士を前にこう畳みかけた。
「日本経済はどんどん成長している。損害賠償の金額の価値はどんどん下がっていくだろう。我々は何年かかってもかまわない」
そこで新間氏はモハメドに、切り出した。
「弁護士を外してくれ。うちも外すから」
サシで向かい合った辣腕マネジャーに新間氏は忌憚なく言った。
「私の父は仏教者だ。日本を発つ際、『相手に心で語れ、心の耳で聞け、心の目で見ろ』とアドバイスされてきた。我々は今、どん底の状況を味わっている。手を差し伸べてくれるのはあなたしかいない」
新間氏は新日本プロレスと猪木の窮状を率直に語った。世紀の戦いの末、猪木はかつてない逆風に見舞われていた。社長を務める新日本プロレスの試合も客足が極端に落ち、キャッシュも底をついていた。
「新間、キミは何を望んでいるんだ」
ハーバート・モハメドは尋ねた。そこで新間氏は「裁判を取り下げてほしい」と頼んだ。そればかりか、猪木夫妻をタイトルマッチに招待するとともに、エキシビションマッチをやってくれるよう請うた。
ハーバート・モハメドの答えはOK。即答だった。そして目の前の受話器を取ると、アリに電話し、新間氏に受話器を渡して、全て解決にこぎつけた。
その結果、アリ・猪木側双方とも訴訟を取り下げ、未払い金の120万ドルを放棄する示談は成立。
その後も真剣勝負という修羅場をくぐり抜けたアリと猪木は、かけがえのない友人になり、タイトルマッチや結婚式に新間氏も含めて招待するようになった。アリがテーマ曲の「アリ・ボンバイエ」を猪木にプレゼントし「イノキ・ボンバイエ」が誕生したのもあまりにも有名なエピソードだろう。藤原が言う。
「真剣勝負というのは往々にして、ああいう膠着状態になるもんです。でもね、猪木さんは試合前1カ月は酒も断っていた。そのあまりの形相に俺も心配になり、練習後、グラスも冷やした、よく冷えたビールを出したら、猪木さんはニッコリ笑って、うん、半分だけなと言ってうまそうに飲んだ。あの試合はね、まさしく負けたほうが全てを失う、命がけの真剣勝負だったんです」
当時32歳だった猪木と34歳のアリの全盛期の雄姿は、いつまでも色あせることはない。
(一部敬称略・了)
アサ芸チョイス
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