スポーツ
Posted on 2023年03月11日 05:56

世界の福本豊<プロ野球“足攻爆談!”>「WBCのスタメンで使うべき選手」

2023年03月11日 05:56

 侍ジャパンで中心的役割を求められていた鈴木誠也が左脇腹を痛めてWBCの出場を辞退した。もともと外野は手薄で、誠也のほかに本職は、ヌートバー、吉田正尚、近藤健介の3人だけ。ユーティリティープレーヤーの周東佑京を加えても5人しかいなかった。栗山監督の構想では、ゲームセットの瞬間まで誠也がグラウンドにいてくれると計算していたはず。左打者が多いだけに、右の中軸としての期待も大きかった。誠也ありきでメンバー選考をしてきた感じやから、頭が痛い事態となった。

 中軸を打てて、守りも一流という代役は探してもおらん。まさかDHの大谷に外野を守らせるわけにいかんし。追加招集されたのはソフトバンクの牧原大成やった。内外野を守れる足の速い周東と同じタイプ。このメンバーなら、おそらく外野のスタメンはレフト・吉田正、センター・近藤、ライト・ヌートバーとなりそう。守備に関しては正直不安が残る布陣。近藤は壮行試合から打撃が絶好調やけど、問題はセンターの守備。日本ハムで去年も経験があるとはいえ、センターに求められる守備範囲の広さがどうか。ヌートバーとは言葉の壁もあるので余計に心配やね。間に飛んだ打球をどちらが捕るかなどの決めごとをきっちりしておく必要がある。

 外野は打つのも大事やけど、守りをおろそかにすると致命傷になる。栗山監督も外野出身なのでわかっているはず。記録には失策とならなくても、普通にアウトにできる打球をしっかり捕ることが大事。打ち取った打球をお見合いしてポテンヒットにすると、試合の流れは一気に悪くなる。二塁打で済むところを三塁打にしてしまうこともある。そう考えると、僕は思い切って周東を最初から外野のスタメンで使う手があると思う。栗山監督は足のスペシャリストとして勝負どころの代走で使いたいやろうけど、ぜいたくを言っていられない。同じタイプの牧原が加わったことで、起用に幅は持てる。周東は2月26日のソフトバンクとの壮行試合では5回から代走で起用されると、同点の9回1死に左前安打。初球で二盗を決めると、悪送球を誘って三塁に進み、源田のタイムリーで決勝ホームを踏んだ。近藤に比べると打力の安定感は劣るけど、思い切りのよさが国際試合で光るタイプ。意外とパンチ力もあるし、肩も強い。スタメンで使っても面白い。

 思い返せば、星野監督が率いた北京五輪では慣れないレフトの守備でG.G.佐藤がエラーを連発して、メダルなしの4位に終わった。外野の守備は得点に直結するからホンマに怖い。仮に僕だって、国を背負っての戦いで本職のセンターではなく、レフトを守れと言われたら自信がない。不慣れな球場となればなおさらプレッシャーがきつくなる。G.G.佐藤はその後の野球人生の歯車がおかしくなってしまった。同じような悲劇を繰り返さないようにしなアカン。

 ケガしたものは仕方がないから、誠也はゆっくり治してほしい。メジャー1年目は打率2割6分2厘、本塁打14本に終わり、パワーアップの必要性を感じたのとちゃうかな。写真で見ると体が大きくなっている。そうなると、下半身とのバランスが崩れ、脇腹を痛めやすくなる。せっかくのドリームチーム。これ以上のアクシデントがないことを祈るだけや。

福本豊(ふくもと・ゆたか):1968年に阪急に入団し、通算2543安打、1065盗塁。引退後はオリックスと阪神で打撃コーチ、2軍監督などを歴任。2002年、野球殿堂入り。現在はサンテレビ、ABCラジオ、スポーツ報知で解説。

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