芸能

神津善行「永六輔さんはメイコさんが好きだった」/テリー伊藤対談(3)

テリー メイコさんとは何がきっかけで出会ったんですか。

神津 そこが難しいんですけどね。三木鶏郎のところで冗談音楽なんかをやってる時に、彼女はそこに通ってるみたいにいたんですよ。

テリー メイコさんも冗談音楽をやっていた?

神津 うん。何となくそこにいたもんだから、彼女に歌を作ったから、それを教えてやってくれとか、伴奏を書いてやってくれとかっていうのは、全部僕がやってたんですけれども。難しいんですよね。要するに、永六輔も‥‥。

テリー 永さんと神津さんは昔からの仲間ですよね。で、永さんもメイコさんのことを好きでしたよね。

神津 そうですね。それで、1回泣いたんですよね。

テリー 誰が?

神津 永六輔が、中村の家で。その時に親父さんが「永ちゃん泣くなよ。みっともないよ。上を向いて歩きな。そしたら涙落ちてこないから」なんて言ったのが、後年歌になりましてね。

テリー 「上を向いて歩こう」?

神津 そう。そうしたら親父さんが、「あいつはやっぱり頭がある。俺が言ったことをお金に換えたもんな」って笑ってましたけどね。

テリー 以前、メイコさんにお話を聞いたことがあるんですけど、その時にメイコさんは神津さんが好きだったと。それでメイコさんは神津さんを選んだって。そういう恋愛関係があったんですか。

神津 僕はね、永六とはケンカしてないですよ。好きだったし、早稲田の学生だった頃から付き合ってましたからね。でも、難しい男でね。

テリー メイコさんが神津さんのことを好きだったんですよね。そうすると、メイコさんの方がアタックしてきたんですか。

神津 そうですね。僕はわりかしね、当時は冷たかったんですよ。何かね、ピラピラしてる女の人っていうのは、あんまり当時は好きじゃなかったんだね。そう見えたんですよ。

テリー 女優で、スターでしたからね。

神津 何となくピラピラしてるような感じがしてたんだけど。何となく永ちゃんより僕の方が話しやすかったのかな。それはあったような気がしますね。あの人ね、うれしいことを「うれしい」って言わない人なんですよ。「うれしいのを、考えてみる」みたいなことを言う人だから。

テリー 永さん?

神津 うん。だから彼女は面倒くさいって言って。

テリー そうか。私は神津さんみたいに簡単な方が好きだと。

神津 そんなことでしたね。でも、1回そこで‥‥これ言ってもしょうがないんだけど、別れたことがあるんですよ。

テリー メイコさんと?

神津 うん。恋愛から別れようと。変なことですけどね、やっぱり仕事ができないんですよ。

テリー 恋愛にいっちゃうと?

神津 そうですね。そうすると、あれは何だったのか、もう忘れましたけど、1年ぐらい間が空いたことがあるんですね。でも、それがよかったんですけどね、冷静になれて。

テリー 1年してから何でヨリが戻ったんですか。

神津 ヨリを戻すっていうより、両方とも近寄りたいと思っていたんだけども意地を張ってたから。

テリー いいですね。

神津 「あなたが意地張るなら私も張るよ」っていうようなところがあったんですね。だから僕が1回意地を解いたら、向こうはもうポロンポロンって解いてきたから。

テリー アハハハハハ。一度お別れしてから、どのぐらいで結婚したんですか。

神津 あれは何年ぐらいだったのかな。でもね、3、4年はあったと思いますね。

ゲスト:神津善行(こうず・よしゆき)1932年、東京都生まれ。麻布中学校、国立音楽高等学校、国立音楽大学器楽科卒業。作曲を信時潔氏、服部正氏、トランペットを中山冨士雄氏に師事。中野区の小学校在学中に肺活量の試験があり、1位になったことで、ラッパ隊の椅子が用意されていたことがきっかけでトランペットを始めることになる。交響詩『月山』、小交響詩『依代』などの他、森繁久彌主演の東宝映画、社長シリーズなど映画音楽を303作品担当。『新妻に捧げる歌』『星空に両手を』、美空ひばりの『夾竹桃の咲く頃』などの歌謡曲やテレビ番組のオープニング曲など多数の作曲を手がける。音楽番組『あなたのメロディー』(NHK)では長年司会を務めた。現在は戦後のジャズコンサート再現コンサートの企画、構成、演出や、自身も司会をするなど、精力的に活動を続けている。

カテゴリー: 芸能   タグ: , , , ,   この投稿のパーマリンク

SPECIAL

アサ芸チョイス:

    医者のはなしがよくわかる“診察室のツボ”<マイクロスリ―プ>意識はあっても脳は強制終了の状態!?

    338173

    昼間に居眠りをしてしまう─。もしかしたら「マイクロスリープ」かもしれない。これは日中、覚醒している時に数秒間眠ってしまう現象だ。瞬間的な睡眠のため、自身に眠ったという感覚はないが、その瞬間の脳波は覚醒時とは異なり、睡眠に入っている状態である…

    カテゴリー: 社会|タグ: , , , , |

    医者のはなしがよくわかる“診察室のツボ”<紫外線対策>目の角膜にダメージ 白内障の危険も!?

    337752

    日差しにも初夏の気配を感じるこれからの季節は「紫外線」に注意が必要だ。紫外線は4月から強まり、7月にピークを迎える。野外イベントなど外出する機会も増える時期でもあるので、万全の対策を心がけたい。中年以上の男性は「日焼けした肌こそ男らしさの象…

    カテゴリー: 社会|タグ: , , , , , |

    医者のはなしがよくわかる“診察室のツボ”<四十肩・五十肩>吊り革をつかむ時に肩が上がらない‥‥

    337241

    最近、肩が上がらない─。もしかしたら「四十肩・五十肩」かもしれない。これは肩の関節痛である肩関節周囲炎で、肩を高く上げたり水平に保つことが困難になる。40代で発症すれば「四十肩」、50代で発症すれば「五十肩」と年齢によって呼び名が変わるだけ…

    カテゴリー: 社会|タグ: , , |

注目キーワード

人気記事

1
「京都崩壊」の信じがたい現実…外国人観光客専用都市に激変した「不気味な風景」
2
商品価値が落ちたヤクルト・村上宗隆「メジャー計画変更」で大谷翔平と同じ道を
3
土壌ラドン濃度・衛星観測・上空発光…火山噴火と大地震「前兆キャッチ」の新技術がスゴイ!
4
山尾志桜里の「公認取り消し」騒動を起こした玉木雄一郎は「榛葉幹事長人気に焦った」って!?
5
フジテレビ・山本賢太アナが行方不明に!? 「代役」登場と「謎のテロップ」