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記事全文を読む→水前寺清子「好きになったのはやっぱり西郷輝彦さん」/テリー伊藤対談(2)
テリー デビューした時から今みたいな男仕立ての着物でしたよね。
水前寺 いえ、その時は普通の女の子の着物です。歌の内容がちょっと男っぽかったんじゃないかなと。今考えると。
テリー 髪型もショートカットで、「ひと声〜」って歌ってるから(「涙を抱いた渡り鳥」)、世の中がビックリしましたよね。それまで日本の歌謡界にはあんまりなかった。
水前寺 女が男の人の歌を歌うっていうのは、なかなかなかったです。だから珍しかったんでしょうね。
テリー このデビュー曲もそうですけど、恩師の星野哲郎さんが作詞された曲をたくさん歌ってますよね。星野さんって、どういう方だったんですか。
水前寺 優しかったですよ。私もまだ10代で、子供みたいなもんでしたから。
テリー 昔の修業って厳しいイメージがありますけど、歌に関しても?
水前寺 「何をどう歌え」ということはなくて、「好きに歌え」でしたから、とても助かったというか。先生のご自宅にもよくお邪魔しました。お子さんが2人いらっしゃいましたが、星野先生の家の子の1人みたいな感じで可愛がってもらいました。自分の中で、私が一番可愛がってもらったと思ってるから。
テリー この前、60周年記念のベストアルバム「援歌の真髄〜男のいのち〜」が発売になって、その中に新曲の「男のいのち」が収録されてますよね。これも星野さんの作詞で。
水前寺 そうですね。どうしても60周年は星野先生の詞で歌いたいと、眠っていたものを掘り出してきたんです。
テリー 今日は水前寺さんにお会いするんで、朝からずっと聴いてたんですけど、すごく元気になる曲ですよね。改めてどうですか、久しぶりに星野さんの歌を歌ってみて。
水前寺 やっぱり星野先生の優しさが出てますよね。先生そのままというか。
テリー 男歌ですよね。
水前寺 大体先生の書く詞は男歌なんですけれども。聴いてみると、やっぱり男でも優しい男みたいな感じですね。
テリー じゃあ、そういう感じでデビューして。水前寺さんは芸能界では誰と仲がいいんですか。
水前寺 青江三奈さんは男っぽい方で。とてもしゃべりやすくて仲よくしてもらいましたね。同じ年のデビューで言うと、都はるみさんや西郷輝彦さんとか。
テリー ああ、西郷さんが同期なんだ。あの人も優しい人でしたよね。
水前寺 優しいです。西郷さんがお出になった番組で、私も一緒に横に並べてもらって、「わあ、すごい」と思って。
テリー ということは舟木一夫さんは水前寺さんよりちょっとデビューが早いですよね。三田明さんは?
水前寺 三田さんも私よりちょっと早かったんじゃないかな(編集部注:1963年デビュー)。とにかく、あの頃は格好いい男性の歌い手がバーッと出てきましたよね。
テリー 格好よかったですよね。
水前寺 格好よかった。もう大変よ。今でも思い出すわ。
テリー 好きになった人はいないんですか。
水前寺 好きになったのはやっぱり西郷さん。「チータ」なんて呼ばれたら、うれしくてうれしくて。
テリー そういうのって、付き合うわけにいかないんですか。
水前寺 いきませんよ。だって、年齢も違ったし。
テリー 年齢は関係ないじゃないですか。
水前寺 いや。西郷さんは大スターで、私はただの女だから。ステージで横に立ってるだけでドキドキするのに。そんな時代なんですよ。ガードも堅くて。
テリー そうなんだ。
水前寺 もちろんです。そばに行けないぐらい堅かった。付き合うなんて、そんな大それたこと、とんでもない話ですよ。
ゲスト:水前寺清子(すいぜんじ・きよこ)1945年、熊本県生まれ。1964年、「涙を抱いた渡り鳥」でデビュー。1965年、NHK紅白歌合戦に初出場。以降、22回連続出場、司会も4度務める。代表曲の「いっぽんどっこの唄」「三百六十五歩のマーチ」は100万枚を突破。また役者としても1970年のドラマ「ありがとう」(TBS系)に出演し、民放ドラマ史上最高視聴率56.3%を記録。1996年、「ワイド! スクランブル」(テレビ朝日系)でキャスターに初挑戦するなど幅広く活躍。新曲「男のいのち」を収録した60周年記念ベストアルバム「援歌の真髄 〜男のいのち〜」発売中。
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