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【サッカー日本代表のツボ】森保ジャパンが本当に「新戦力」を試すのは「6月の代表戦2試合」から

 W杯本大会出場を決めたサッカー日本代表は、バーレーン戦から先発メンバーを6人入れ替えて、サウジアラビア戦に臨んだ。

 試合は予想外の展開となり、サウジが試合開始から引いて守りを固め、完全に引き分け狙いの作戦に打って出た。そんなサウジの強固な守備を崩せず、森保ジャパンはまんまと0-0の引き分けに。一方的にボールを保持しながらも、シュートはわずか10本しか打っていない。

 森保一監督はこのアジア最終予選を、固定したメンバーで戦ってきた。招集選手には「サプライズ選出」という驚きはなく、先発メンバーはほぼ同じ。W杯出場を決めるまでは、石橋を叩いて戦ってきた。

 そうしたチームが先発を6人も入れ替えれば、簡単には機能しない。それは森保ジャパンのみならず、欧州のクラブチームでも苦戦するのは当たり前だ。サウジ戦を引き分けたからといって、悲観することはない。

 問題はこれから本番までどうやって強化するか、にある。

「レベルの高い選手たちが2、3チーム分できるくらい選手層を厚くして、同等のレベルの選手を増やせるように」

 森保監督は、そう言い切っている。固定して戦ってきた最終予選から切り替えて、いろんな選手を試すようだ。

 ただ、サウジ戦で入れ替わった6人の中に、「新戦力」として試された選手はいない。ほとんどが「ベンチスタートで途中から出場」する選手であり、新戦力とはいえない。3バックの右で先発した高井幸大(川崎フロンターレ)にしても、サウジがあれだけ引いて守っていただけに、評価するのは難しい。本当の意味で選手を試すのは、6月のアジア最終予選の2試合からだ。

 森保ジャパンの中で、不動と謳われる主力メンバーは十数人いる。彼らはケガなどのアクシデントがない限り、本大会にも招集される。

 問題は、ベンチスタートの選手たちだ。中には何度も出場チャンスを得ながらも、結果を出せない者がいる。森保監督はそうした選手には何ができて、何ができないかはわかっている。今さらチャンスを与える必要はない。代わりに今まで使ったことがない新戦力を試すことになる。

 例えば、関根大輝(スタッド・ランス)や藤田譲瑠チマ(シント=トロイデン)といったパリ五輪世代。彼らの押し上げは絶対に必要だ。

 ブンデスリーガの佐野海舟(マインツ)の評価も高い。デュエル勝利数のリーグランキング上位に顔を出し、ボール奪取能力の高さを証明している。今季、マインツ快進撃の中心となっている。

 国内組にもチャンスはある。昨季19ゴールを挙げて得点ランキング3位だった山田新(川崎フロンターレ)だ。代表のセンターフォワードには絶対的なエースが存在していないだけに、付け入る隙は十分にある。

 6月の代表戦で、森保監督はどんなメンバーを召集するのか。久しぶりに、サプライズがりそうだ。

 あとは9月、10月、11月の国際Aマッチデーに、強豪国と試合を組めるかどうか。協会のマッチメークに期待したい。

(渡辺達也)

1957年生まれ。カテゴリーを問わず幅広く取材を行い、過去6回のワールドカップを取材。そのほか、ワールドカップ・アジア予選、アジアカップなど、数多くの大会を取材してきた。

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