「1年目にプロっていうのはこういうもんだ。ジャイアンツの選手っていうのはこういうもんだっていうのを、すごく叩き込まれたっていうか、教えてもらったんですよね」
これは巨人OBの髙橋尚成氏が、自身のYouTubeチャンネル「髙橋尚成のHISAちゃん」で回想した、ルーキー時代。教えを説いたのは、現・桑田真澄2軍監督である。
髙橋氏は1999年ドラフト1位(逆指名)で巨人入り。1年目の2000年は、桑田2軍監督はプロ14年目の大ベテランだった。髙橋氏が続けて言う。
「僕はまだ寮生だったので、桑田さんが寮の近くに住まれてたので、(運転手つきの)車で送ってもらったりとかしてたんですよ。すごいなと思ったのは、後ろ(後部シート)でシートベルトをしてたんですよ。今でこそ当たり前なんですけど、その当時、後ろの席はシートベルトしなくても大丈夫だったんですよね。自分の体を少しでもリスクがあるものに対しては守るんだ、ってことを聞いたら『それはプロの選手として当たり前でしょ』ってことを桑田さんが仰った」
現役時代の桑田2軍監督が、移動の際のバスを禁煙車と喫煙者に分けるよう進言したのは有名な話。当時は煙草を吸い、二日酔いで試合に出ることを美学と捉える選手が数多くいた時代だ。文字通り、煙たく思ったであろう分煙発言は、今では当たり前となっている。未来を見越していたとさえ、思えてしまうのだ。
(所ひで/ユーチューブライター)