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記事全文を読む→ホントーク〈竹内薫×パトリック・ハーラン〉(3)「鉄腕アトム」はAI搭載ロボット
パックン 近い将来、AGIがさらに進化して、人間の知能をはるかに超える能力を持つ人工超知能「ASI」が登場すると言われています。
竹内 ASIが人間の心のような「意識」を持つと、世界は大きく変わると思います。現状では人間の脳からどうやって意識が生まれているのか解明されていないので、プログラムで組むことができません。でも、すでにAIのプログラムをAIが書く段階が近づいているので、自発的に意識が出てくる可能性はあります。
パックン 人工知能が意識を持つとどうなりますか?
竹内 今、ドローンにAIを搭載した兵器が使われていますが、AIが意識的に人類を攻撃してきたら、人類は滅びてしまう可能性も出てくるわけです。
パックン それはヤバイです! 人類と殺人サイボーグの戦いを描いた映画「ターミネーター」(84年)の世界が現実になってしまいます。人類が滅びないようにするには、どうしたらいいですか?
竹内 手塚治虫さんのSF漫画「鉄腕アトム」をご存知ですか? 実はアトムは、意識を持っている人工知能搭載型ロボットなんです。アトムのような人間の味方が登場するか、どうかが重要になります。人類が滅びるかどうかはアトムの出現しだいだと思います。
パックン 「AI対人間」ではなく、将来「人間とAI」を組み合わせた新しい種が生まれると、イスラエルの歴史学者・ユヴァル・ノア・ハラリ氏が言っていますが、竹内さんはどう思いますか?
竹内 そのとおりだと思います。今もAIは脳の中に入っていないだけで外部脳です。将来的に脳など人間の体の中に組み込んだら、それは新しい種となるでしょう。僕は森羅万象は情報だと思っているので、純粋な情報形態になるだけだと思います。脳の情報すべてをネットにアップロードした人の生命は、永遠とも言えるのではないでしょうか。
パックン 僕は人間が大好きなので、人類が世界から消えて、パソコンの中で生きるような日はきてほしくないです。
竹内 スーパー知性になっても、今の我々のDNAは少し残ると思いますよ。
パックン でも、やっぱり怖いなぁ。最後に中高年世代は、これからAIとどうつきあえばいいか、アドバイスをお願いします。
竹内 30年後は違うかもしれませんが、無理やりAIを使わなくてもいいと思います。
パックン 意識して使おうとしなくても、すでにネット検索や電化製品に組み込まれていて、気づいてないところで使っていますしね。
竹内 そうです。ですから使うことが心地よく、役に立つのなら使えばいいし、そうでないなら使わなくていいと思います。
パックン 音楽にしてもスマホで聴くほうが音質はいいかもしれないけれど、レコードが好きな人はそのままでも問題ないということですね。
竹内 はい。AIにかぎらず、テクノロジーとは自分なりの接し方でよろしいかと思います。
パックン 今日は大変勉強になりました。ありがとうございました。
ゲスト:竹内薫(たけうち・かおる)サイエンス作家。ZEN大学教授。1960年、東京都生まれ。東京大学教養学部教養学科・東京大学理学部物理学科卒業。マギル大学大学院博士課程修了(専攻、高エネルギー物理学理論)。理学博士(Ph.D.)。大学院を修了後、サイエンスライターとして活動。「虚数はなぜ人を惑わせるのか」など著書多数。16年からはYESインターナショナルスクール校長も務める。
聞き手:パトリック・ハーラン 1970年、アメリカ・コロラド州生まれ。93年、ハーバード大学を卒業後来日。97年、吉田眞とお笑いコンビ「パックンマックン」を結成。NHK「英語でしゃべらナイト」「爆笑オンエアバトル」で一躍人気者に。「報道1930」(BS-TBS)でコメンテーターを務めるなど、報道番組にも多数出演。12年から東京工業大学非常勤講師に就任。
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