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記事全文を読む→ホントーク〈五木寛之×綿矢りさ〉(3)ボケを学問として研究してほしい!
綿矢 ボケて凶暴になったり攻撃的になったりする人がいる一方、意地悪だった人が優しくなったり、昔の人格に戻ったりすることもあって不思議です。ボケたあとの人格は自分でまったくコントロールできないのか、それとも深層心理でコントロールしているのでしょうか。
五木 ボケるということは、まだいろいろ解明されていないので「ボケ学」(笑)とでもいうか、学問として研究してほしいと思いますね。社会に適合できて、本人にとっても幸せな形でボケていきたいと誰もが願っている。どうしたらそうできるかを研究してほしいと思う。
綿矢 私も周りの人から好かれるようなボケ方をしたいです(笑)。
五木 そもそも、人間が年を取ると誰もがボケる。これは、死の恐怖から逃れるためだと僕は思っているんですけど。
綿矢 なるほど。死の恐怖から逃れられるなら、ボケることも悪くないですね。
五木 加齢に伴う人間の正常な活動の1つです。否定するのではなくて、どうしたらよりよくボケていくかが大事なのかな。
綿矢 五木先生はご自身がボケるということについてどう思われますか?
五木 なかなか自分のボケというのは自覚できないものでね‥‥(笑)。僕は今「日刊ゲンダイ」の連載で1日に1本、もう50年あまり原稿を書いていますけど‥‥。
綿矢 1975年にスタートした「流されゆく日々」というギネス記録を更新中の長期連載ですね。1度も原稿を落とすことなく、1万2000回以上続けていらっしゃるなんて、誰にもできないことだと思います。
五木 お恥ずかしい(笑)。
綿矢 私は認知症が始まっている作家の人は、同じ言葉を何回も使うという研究結果があると知りました。ですから、将来、私がボケたら、読者が指摘してくれるのでは、と思っています。
五木 作家の場合は文体に乱れが出ますからね。恐らく綿矢さんも、90歳を過ぎても女流作家として書き続けていくと思いますね。そのためには、できるだけ人と会話をするのが大事。作家は対談の仕事をできるだけやったほうがいいんです。
綿矢 頑張ります。
五木 僕も今後、最後まで書き続けられたらいいと思っていますけど。
綿矢 今日は体の養生についてと、ボケは怖いものではないという、貴重なお話をありがとうございました。ボケを前向きにとらえることができました。
五木 ボケと堂々と向かいあって生きましょうね。なんだか若い作家としゃべって元気がでてきた(笑)。
ゲスト:五木寛之(いつき・ひろゆき)1932年、福岡県生まれ。作家。朝鮮半島で幼少期を送り、引き揚げ後、52年に上京して早稲田大学文学部露文科に入学。57年に中退後、編集者、ルポライターなどを経て、66年「さらばモスクワ愚連隊」で小説現代新人賞、67年「蒼ざめた馬を見よ」で直木賞、76年「青春の門 筑豊篇」ほかで吉川英治文学賞、02年、菊池寛賞、10年「親鸞」で毎日出版文化賞特別賞を受賞。22年より日本藝術院会員。
聞き手:綿矢りさ(わたや・りさ)1984 年京都府生まれ。早稲田大学教育学部卒業。01年「インストール」で文藝賞を受賞しデビュー。04年「蹴りたい背中」で芥川賞を受賞。12年「かわいそうだね?」で大江健三郎賞、19年「生のみ生のままで」で島清恋愛文学賞を受賞。「勝手にふるえてろ」「私をくいとめて」など著書多数。
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