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記事全文を読む→京都の路地で注目集まる「いけず石」とは?観光客との摩擦と文化の継承に揺れる“無言の気配り”
京都の細い路地を歩いていると、民家の角や塀の際に無造作に置かれた石に目を奪われることがある。「いけず石」、または「車止め石」と呼ばれるものだ。かつての牛車や車のバンパーが塀に接触するのを防ぐ目的で置かれてきたこの石は、京都ならではの生活の知恵でもある。
「いけず」と聞くと、どこか意地悪な印象を受けるが、本来はそうではない。石の設置は、事故やトラブルを未然に防ぐための“無言の気配り”。その起源は平安時代の車止め杭にあるともいわれ、現在のような石製が普及したのは明治以降とされている(諸説あり)。
この慎ましやかな「いけず石」だが、近年では思わぬ形で注目を集めている。インバウンドの急増により、京都の路地には連日、多くの外国人観光客が訪れるように。中には大きなスーツケースを引きながら歩く姿も多く、石にぶつかって荷物が傷ついたと苦情を寄せるケースも出てきた。
SNSでも「邪魔」「見えにくい」「バンパーが削れた」といった声が上がる一方、地元住民からは「事故防止には必要不可欠」との反論もあり、双方の立場の違いが表面化している。
こうした摩擦が生まれる中で、「いけず石」の役割を再評価する動きも広がっている。観光ガイドサイトでは「路地歩きでは足元と壁際に注意を」と注意喚起がなされ、SNSでは“京都散策の見どころ”として位置やデザインを紹介する投稿も増えている。
また、文化としての「いけず石」にも光が当たっている。KBS京都の番組では、“いけず石愛好家”の杉村啓さんによる「いけず石観察手帖」が紹介され話題に。現在までに3冊が刊行され、累計で2000部以上を販売。京都人の繊細な気遣いの象徴として、多くの共感を呼んでいる。
小さな石に込められた大きな意味。安全とマナー、文化と利便性。京都のいけず石は、今まさに、伝統と現代が交錯する象徴として新たな注目を集めている。
(ケン高田)
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