スポーツ

夏競馬で覚えておきたい「珍“迷”馬」爆笑実況「モチが粘っている。モチ、粘る粘る!」

20160728h

 牝馬が強い重賞、荒れるハンデ戦、新馬戦──。夏のローカル競馬の魅力はさまざまあるが、馬名ゆえの爆笑レース実況もその一つ。今年デビューの2歳馬にも、レースぶりより気になる面々があちこちにいるのだが‥‥。

「オマワリサンが逃げる展開。800を切って、3馬身リードを取っています。(中略)逃げる逃げる、オマワリサン。リードは3馬身。オマワリサン、逃げ切ってゴールイン!」

 これはかつて東京競馬場で繰り広げられたレースの実況中継である。まんまと逃げ切ったのはドロボーではなく、捕まえるほうのオマワリサンだった──。

 騎手は真剣に騎乗しているのに、どうしても笑ってしまう冗談のような実況。そういえば、モチという馬が先行したレースでは「モチが粘っている。モチ、粘る粘る!」という、ハマリすぎたものもあったっけ‥‥。そして今年の新馬登録を見るとやはり、これは本当に馬なのか、という若駒の顔ぶれが。

 7月10日の中京5R、新馬戦。1枠で出走したのはシゲルギンギツネだった。

「馬主である実業家の森中蕃氏が自分の名前を冠名にしたシリーズものです。その年ごとにテーマがあり、今年デビューする馬には動物の名前がついている。シゲルツキノワグマ、シゲルイノシシ、シゲルドラネコ、といった感じです。以前は役職シリーズの年もあり、シゲルジュウヤク、シゲルヒラシャイン、シゲルマドギワゾクなど。今の3歳馬はシゲルカンパチ、シゲルサバなど魚シリーズです」(競馬ライター)

 これからデビュー戦を迎える面々を見ても、ビックリシタナモー、トラネコ、カツオブシ、キットダイジョウブ、ネコドリーム‥‥と多士済々のトンデモ馬名が。いったい何の集団なのかわからなくなるほどで、実況中継が楽しみである。

 さて7月9日、中京1Rの2歳未勝利戦では、

「その外からジワッジワッとイイコトバカリ。シゲルベンガルトラ、ムチを振るって迫ってきた!」

 ムチとともに猛獣に接近されてはひとたまりもないが、イイコトバカリは6月19日のデビュー戦を11着で惨敗。この日も6着と、いいところはまだ何もない状態である。

 レース中にどこからか電話がかかってきたのかと思ったのは、6月25日の東京7R。モシモシと言われるとつい、「はい、もしもし」と口から出そうになる。4月30日の新潟8Rでは、こんな実況が展開された。

「いちばん外からは9番のモシモシ、突っ込んできた。外からモシモシ!」

 外出先から会社に電話があったのか、とツッコミを入れた人がいたとかいなかったとか‥‥。

 先のイイコトバカリ、そしてこのモシモシの馬主である実業家・小田切有一氏は、珍馬名オーナーとして、競馬界では有名人。現在の所有馬を見ても、ショウジキモノ、ネガエバカナイソウ、ワラッチャオ、コリャコリャ、ニャントカナル、メダカハドコヘ、ゴマスリオトコ、オイカケマショウ、ピンポン‥‥。7月10日の函館10Rに出走したジンセイハオマツリは7着。前走、前々走も8着、7着と低迷しており、馬名とは逆の気分だろう。ちなみにこの馬の父はオレハマッテルゼ、母はキマグレである。

 前出・競馬ライターが、“珍・迷・馬名”に秘められた内情を明かす。

「原則的に、反社会的なもの、実在した名馬と同じもの、企業などの宣伝はダメ、といった決まりはありますが、特定の冠名がない馬主は、馬名をつけるのが特に大変だといいます。現在、JRAに登録されているのは約7800頭。珍名はおもしろいアイデアである一方、逆に普通の名前がつけづらいほど、もうさまざまなパターンが出尽くしているということもある。馬主が最も苦労するのが馬名をつけることであり、同時に最も楽しみなことでもあるわけです」

 生みの苦しみゆえに、珍・迷・実況もまた楽し──。ここはひとつ、素直にワラッチャオ‥‥。

カテゴリー: スポーツ   タグ: , , , ,   この投稿のパーマリンク

SPECIAL

アサ芸チョイス:

    医者のはなしがよくわかる“診察室のツボ”<マイクロスリ―プ>意識はあっても脳は強制終了の状態!?

    338173

    昼間に居眠りをしてしまう─。もしかしたら「マイクロスリープ」かもしれない。これは日中、覚醒している時に数秒間眠ってしまう現象だ。瞬間的な睡眠のため、自身に眠ったという感覚はないが、その瞬間の脳波は覚醒時とは異なり、睡眠に入っている状態である…

    カテゴリー: 社会|タグ: , , , , |

    医者のはなしがよくわかる“診察室のツボ”<紫外線対策>目の角膜にダメージ 白内障の危険も!?

    337752

    日差しにも初夏の気配を感じるこれからの季節は「紫外線」に注意が必要だ。紫外線は4月から強まり、7月にピークを迎える。野外イベントなど外出する機会も増える時期でもあるので、万全の対策を心がけたい。中年以上の男性は「日焼けした肌こそ男らしさの象…

    カテゴリー: 社会|タグ: , , , , , |

    医者のはなしがよくわかる“診察室のツボ”<四十肩・五十肩>吊り革をつかむ時に肩が上がらない‥‥

    337241

    最近、肩が上がらない─。もしかしたら「四十肩・五十肩」かもしれない。これは肩の関節痛である肩関節周囲炎で、肩を高く上げたり水平に保つことが困難になる。40代で発症すれば「四十肩」、50代で発症すれば「五十肩」と年齢によって呼び名が変わるだけ…

    カテゴリー: 社会|タグ: , , |

注目キーワード

人気記事

1
【戦慄秘話】「山一抗争」をめぐる記事で梅宮辰夫が激怒説教「こんなの、殺されちゃうよ!」
2
神宮球場「価格変動制チケット」が試合中に500円で叩き売り!1万2000円で事前購入した人の心中は…
3
永野芽郁の二股不倫スキャンダルが「キャスター」に及ぼす「大幅書き換え」の緊急対策
4
巨人で埋もれる「3軍落ち」浅野翔吾と阿部監督と合わない秋広優人の先行き
5
「島田紳助の登場」が確定的に!7月開始「ダウンタウンチャンネル」の中身