社会
Posted on 2017年06月01日 05:55

「ゴールデン街」最古参マスターが述懐する59年(3)「酒と会話で憂さを晴らす」

2017年06月01日 05:55

 ゴールデン街は、その雰囲気に引かれ、多くの著名な作家、ジャーナリスト、編集者といった文筆業関係者だけでなく、映画監督や劇団の演出家、男優、女優、モデルなどが通った。

 常連客だった中上健次氏は芥川龍之介賞、佐木隆三氏は直木三十五賞を受賞したことも報じられ、文化人が集まる街と言われるようになるが、「突風」はそのハシリでもある。

 劇団仲間が集まり、モデルも兼ねていた柴田氏と同じ所属事務所の菅原文太もよく飲みに来た。

 柴田氏は当時、俳優の片手間だった声優業で、専門の事務所「青二プロ」を設立。声優、俳優の養成にも力を入れた。柴田氏が今まで出演したアニメの作品数は2000を超し、現在も9本のレギュラーを持つ。

 昨年から歌舞伎町を中心に有線で「悪質ぼったくり追放」のアナウンスを流しているが、声を担当しているのは柴田氏だ。

 今年80歳を迎えた柴田氏だが、私生活もエネルギッシュ。やはり声優である夫人(関根明子さん)とは頻繁に海外を巡る。水泳、乗馬、ゴルフも続けている。

 70年代には学生運動の活動家も飲む街だったゴールデン街。80年代にはバブルの波が押し寄せ、不審火騒ぎが頻発するほか、猛烈な地上げ攻勢にもあった。

 その後、空き店舗だらけになり存亡の危機を迎えたが、出店を目指す若者の誘致を積極的に働きかけるなど、柴田氏らの尽力で、今のゴールデン街は再び生まれ変わったのだ。

「遅かれ早かれ再開発をしなくちゃならない時代が来るだろう。ライフラインも限界に来ている。しかし、ゴールデン街の店はどこも3~4坪の狭い空間で、昔風でカラオケのない店がほとんど。おのずと酒と会話になる。愚痴が出る。その日の憂さを晴らす。こんな雰囲気が昭和の薫りと言われている。この雰囲気を愛する人はいつの世にもいる。防災、安心、安全対策を皆で行って、頑張りが続くかぎりこの薫りをゴールデン街に残していきたい」

「突風」は会員制とあるが、初めての客でも、気さくに打ち解けられる雰囲気を柴田氏ご夫妻は醸し出している。話の続きがじっくり聞けるかもしれない。

笹川伸雄(ジャーナリスト)

全文を読む
カテゴリー:
タグ:
関連記事
SPECIAL
  • アサ芸チョイス

  • アサ芸チョイス
    芸能
    2026年03月25日 07:00

    もう長いこと、毎週日曜日の視聴がルーティンになっていた2つの番組が、3月29日に揃って終了する。ひとつは1985年10月にスタートした「アッコにおまかせ!」(TBS系)。近年は和田アキ子の失言・暴言・妄言がたびたびSNSで炎上し、「早く終わ...

    記事全文を読む→
    カテゴリー:
    タグ:
    スポーツ
    2026年03月26日 06:45

    「過去20年間、予想してていちばん難しいですね、今年が。今までこんな難しいことは経験がないですね」これは今季の巨人の順位を予想するにあたり、野球解説者の江川卓氏が発した率直な言葉である。なにしろ投打において、不確定要素が多いのだ。YouTu...

    記事全文を読む→
    カテゴリー:
    スポーツ
    2026年03月26日 11:15

    今季のプロ野球パ・リーグでは、就任5年目の日本ハム・新庄剛志監督が掲げる「ぶっちぎり優勝」に向けて、自信満々だ。開幕カードは敵地でのソフトバンク戦(3月27日・みすほペイペイドーム)。オープン戦では巨人が8年ぶり首位となったが、実は日本ハム...

    記事全文を読む→
    注目キーワード

    人気記事

    1. 1
    2. 2
    3. 3
    4. 4
    5. 5
    6. 6
    7. 7
    8. 8
    9. 9
    10. 10
    最新号 / アサヒ芸能関連リンク
    アサヒ芸能カバー画像
    週刊アサヒ芸能
    2026/3/17発売
    ■650円(税込)
    アーカイブ
    アサ芸プラス twitterへリンク