スポーツ

横綱・稀勢の里 なぜ報じない「年内絶望」と「本当の症状」(2)回復のメドが立っていない?

 角界からは「年内絶望」の声とともに、「重症説」も聞こえてくる。

「稽古ができていないのに、ぎりぎりまで休場を引っ張るという中途半端な煮えきらない態度を取るというのは、相当悪い証拠ですよ」

 と言うのは相撲ジャーナリストの中澤潔氏だ。

「かつて、栃ノ海という小兵の横綱がいました。前さばきがうまく、両前みつを取って拝むように寄り進む型や左差し右おっつけの型の鋭さには定評がありました。しかし、右上腕の筋肉を断裂するというアクシデントに見舞われ、横綱としては一度しか優勝できなかった。稀勢の里を見ていると、どうしても栃ノ海を思い起こします」

 栃ノ海は28歳という若さで引退に追い込まれた。そのためか、中澤氏は稀勢の里の復帰に慎重な姿勢を崩さない。

「手術してでもしっかり立ち直るべきです。半年かかってもいいじゃないですか。せっかく誕生した日本人横綱です。前もって言ってもらえれば待つ。そんな長期休場やむなしという空気が今の横綱審議委員会にはあります。稀勢の里がそれを言えないのは、回復のメドが立っていないほど症状が悪いからではないか」

 それでも、休場が続けば、横綱への風当たりも強まるに違いない。

 相撲記者が言う。

「かつての貴乃花がそうでした。足のケガで結局、7場所休み、優勝することがないまま引退を余儀なくされました。横審には、当初こそ休場前の場所で果たした奇跡の逆転優勝をたたえる空気が充満していましたが、しだいに険しい空気が流れ、最後のほうになると、『また休むのか』と露骨に口にする人もいましたよ」

 八角理事長が秋場所初日の挨拶で、「誠に遺憾」と、苦言を呈したのも無理はない。今場所は3横綱が休場する非常事態。2日目には大関の高安(27)までが右太腿を負傷し、戦線離脱した。

「目に余ったのが白鵬ですよ。宮城野親方は左膝の炎症で3週間の加療が必要と発表しましたが、相撲が取れない状態ではありません。白鵬本人は目標としてきた魁皇の記録を抜く通算1050勝を達成したことで気持ちが切れたと言われています。東京オリンピックまでやると公言していましたが、そこまで続くかどうか」(前出・相撲記者)

 今年すでに4場所を休場した鶴竜(32)とともに、アテにできない状況となれば、やはり稀勢の里の奮起にかけるしかなさそうだ。角界関係者が近況を語る。

「部屋の稽古場に姿を見せることもありますが、ぶつかり稽古など対人稽古はまだできない状態。一人で黙々と、すり足、四股をしているようです」

 土俵内外の喧騒をよそに、寂しく稽古に打ち込む稀勢の里。来年の角界はその双肩、いや左上腕にかかっている。

カテゴリー: スポーツ   タグ: , , , , ,   この投稿のパーマリンク

SPECIAL

アサ芸チョイス:

    ゲームのアイテムが現実になった!? 疲労と戦うガチなビジネスマンの救世主「バイオエリクサーV3」とは?

    Sponsored

    「働き方改革」という言葉もだいぶ浸透してきた昨今だが、人手不足は一向に解消されないのが現状だ。若手をはじめ現役世代のビジネスパーソンの疲労は溜まる一方。事実、「日本の疲労状況」に関する全国10万人規模の調査では、2017年に37.4%だった…

    カテゴリー: 特集|タグ: , , , |

    藤井聡太の年間獲得賞金「1憶8000万円」は安すぎる?チェス世界チャンピオンと比べると…

    日本将棋連盟が2月5日、2023年の年間獲得賞金・対局料上位10棋士を発表。藤井聡太八冠が1億8634万円を獲得し、2年連続で1位となった。2位は渡辺明九段の4562万円、3位は永瀬拓矢九段の3509万円だった。史上最年少で前人未到の八大タ…

    カテゴリー: エンタメ|タグ: , , , |

    因縁の「王将戦」でひふみんと羽生善治の仇を取った藤井聡太の清々しい偉業

    藤井聡太八冠が東京都立川市で行われた「第73期ALSOK杯王将戦七番勝負」第4局を制し、4連勝で王将戦3連覇を果たした。これで藤井王将はプロ棋士になってから出場したタイトル戦の無敗神話を更新。大山康晴十五世名人が1963年から1966年に残…

    カテゴリー: エンタメ|タグ: , , , , , |

注目キーワード

人気記事

1
あの「号泣県議」野々村竜太郎が「仰天新ビジネス」開始!「30日間5万円コース」の中身
2
3Aで好投してもメジャー昇格が難しい…藤浪晋太郎に立ちはだかるマイナーリーグの「不文律」
3
高島礼子の声が…旅番組「列車内撮影NG問題」を解決するテレビ東京の「グレーゾーンな新手法」
4
「致死量」井上清華アナの猛烈労働を止めない「局次長」西山喜久恵に怒りの声
5
皐月賞で最も強い競馬をした3着馬が「ダービー回避」!NHKマイルでは迷わずアタマから狙え