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菅野、大谷、藤波、東浜、ドラフト会議を裏中継!

調査書の受け取りすら拒否

 何といっても最大の懸案事項は、昨年、日本ハムへの入団を断固拒否し、浪人生活を送った東海大・菅野智之(23)の動向だった。伯父である原辰徳監督(54)の巨人入団を熱望したものの、同じく1位指名した巨人は抽選で敗れていた。スポーツ紙デスクが言う。

「今年の正月に親戚が集まる席で、菅野は原監督に『今年も必ず指名するから』と言われました。が、今度こそ相思相愛が実ると断定できなかったのは、日本ハムの再アタック説など、指名リストから外さない球団が複数あったからです」

 ドラフトを間近に控えた10月中旬、DeNAのスカウトが東海大に出向いた。

「調査書をお持ちしました」

 調査書とは、指名リストに入っているのでよろしく、という意思表示であり、一種の社交辞令でもある。

 東海大関係者が明かす。

「東海大サイドは受け取りを拒否した。その際、こんな説明をしたんです。

『昨年、私たちは日本ハムにお叱りを受けました。調査書を受け取ったんだから入団する意思があると判断したのは当然でしょう、と言われたのです。ウチの菅野は(巨人以外には)本当に行きたくありませんので、この書類はお受けできません』と。DeNAは『社交辞令で断るのか』と憤慨しました。日本ハムや楽天など数球団も調査書を持ってきたようですが、結局、巨人以外からは受け取っていません」

 そして東海大と菅野は「最後の一手」を打つ。10月16日、公開練習の際に報道陣の取材に応じた菅野は、「意中の球団以外の指名になったら?」との質問に、「そうならないことを祈るだけ。そうなった時のことは監督に話してあります」

 その横井人輝監督は菅野の胸の内をこう代弁した。

「僕の立場で言えるのは、巨人指名でなければアメリカに行くであろうということ。野球留学も含め、いろいろと興味を持っている」

 巨人以外の指名はやめろ、という露骨な牽制である。DeNA・高田繁GM(67)は即座に反発した。

「菅野はリストから外れていない。だが、脅しをかけるようなことをしてはいけない。今までの巨人のやり方と同じ。澤村みたいなこともやるから」

 一昨年のドラフトで、巨人が一本釣りを狙う澤村拓一(24)について、読売系列のスポーツ報知が「澤村の巨人に対する思いは強く、他の11球団から指名を受けた場合、メジャー行きや浪人も辞さない決意」と報じて牽制し、単独指名に成功。「卑怯なやり方だ」と批判を浴びたのだった。

「ウチにマネジメントを…」

 もう1人、この妨害工作に激怒した人物がいる。楽天・星野仙一監督(65)だ。

「何でそういうことを言うのかな。そうなったら勝手にアメリカに行けばいいだろ!」

 まさしく正論である。

「横井監督がああ言うよう仕向けたのは巨人ですね。DeNA、楽天がリストから外していなかったため、東海大には焦りもあった。両球団とも『ここで指名したら嫌でも来るだろう。2年の浪人は無理だ』と。それをどうにか諦めさせようとした」(前出・デスク)

 この読みはあながち間違いではなかった。先の東海大関係者が言う。

「実は菅野自身は、もうどの球団に行ってもいい気持ちもあった。大嫌いな2球団という阪神と中日を除いては。ところが、原監督の父で東海大系列野球部顧問の原貢氏が『ダメだ』と許さない。息子のチームで孫がプレーする姿を見るのが夢でしたから」

 蓋をあけてみれば、巨人の単独指名。恫喝作戦はまんまと成功したが、「強行指名も予想されたDeNAは、高田GMが強気になれない理由があった。GM職を斡旋したのが巨人・渡辺恒雄球団会長(86)だったから。『高田が使えるから獲れ』とDeNAに口利きしたんです。その“恩人”を怒らせることはできない。あの抗議のコメントはポーズだったんですよ」(DeNA関係者)

 ドラフト制度を形骸化させる「おなじみの手法」で他球団を排除した巨人は即日、背番号19のユニホームを菅野に着せて「入団会見」までやる抜け目のなさ。さすがである。

 菅野の妨害工作に対し、もう一人の超大物、花巻東の160キロ右腕・大谷翔平(18)はドラフト2日前に「メジャー挑戦表明」会見を開き、国内球団は一斉に手を引いた‥‥かに見えた。ところが、日本ハムが強行指名を明言し、実際に単独指名で交渉権を獲得した。

 アマ野球担当記者が言う。

「大谷は今年になって、(メジャー式に)イニング間のキャッチボールをしなくなった。メジャー挑戦を見据えてテストしていたようだ。実はメジャー志向の後押しをしたのは、元メジャーリーガー・長谷川滋利氏も所属する吉本興業。大谷サイドに接触し、『メジャーに行ったら代理人を世話する。だからウチにマネジメントさせてくれないか。アメリカでは言葉の問題も大変だし、バックアップする』と熱心に口説いていたのです」

 それでも日本ハムが強行指名に踏み切ったのは「勝算あり」との計算を立てていたからだという。

絶対に行かせたくない球団

 日本プロ野球組織(NPB)関係者が、その内情を説明する。

「栗山英樹監督(51)はキャスター時代に大谷をインタビューし、佐々木洋監督とも懇意にしていた。中田翔、吉川光夫、中村勝ら若手が育つなど、育成システムにも自信があり、ダルビッシュの例でわかるように、早い段階でのメジャーへのポスティング移籍もできる。こうした材料で口説けば、(交渉期限の)3月31日までには何とかできると思っているのです」

 大谷自身は「入団の可能性はゼロです」とコメントしたが、日本ハムには追い風も。大谷の両親、監督ともに、まずは国内でプレーすべきとの考えを持っており、球団とともに説得に当たれば翻意するのでは、との期待もあるのだ。ちなみに大谷に関しては、佐々木監督が絶対に行かせたくない球団が2つあった。

「西武と楽天です。西武は同じ花巻東の菊池雄星(21)をきちんと育成できていない。あれだけ騒がれた大物が3年たってもくすぶっている。楽天はデーブ大久保二軍監督(45)が就任したから。裁判にまでなったあの雄星暴行事件を起こしていますからね」(前出・デスク)

 今ドラフト唯一の「サプライズ」。日本ハムにしてみれば、2年連続でのドラ1契約失敗は避けたいところだが、はたして‥‥。

 4球団競合の末、地元関西の阪神がクジを引き当てた大阪桐蔭・藤浪晋太郎(18)は、阪神フロントが「なぜ阪神ファンだと言ってくれないんだ」とボヤいていた。阪神担当記者は、「逆指名はできないけど、せめてそう言ってくれたら1球団ぐらいは下りるかもという淡い期待があった」

 と話すが、どうやら親子そろって巨人ファンだと判明し、期待は焦りに変わった。が、藤浪本人は、「何となく阪神になる気はしていました。巨人キラーになりたい」

 と、早くも「脱巨人愛」を宣言したのだった。「BIG4」の最後は、3球団競合でソフトバンクが交渉権を得た亜細亜大の東浜巨(なお)(22)。右肘痛を抱えている点が心配されるが、「中学の時から痛かったようで、これは持病。もう完全には治らないと聞いている。痛みとつきあいながら投げるというか、それを織り込み済みでないと指名できません。短命で終わりそうな投手とも言われますが、プロのトレーナーの指導でどれだけの球が投げられるようになるか‥‥」(前出・NPB関係者)

 来年の春には、彼らの活躍で球界を大いに盛り上げてもらいたい。

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