芸能
Posted on 2025年04月03日 05:58

「月曜から夜ふかし」捏造暴走でわかったフリーディレクターの「収入ゼロ回避の生き残り作戦」

2025年04月03日 05:58

 マツコ・デラックス、村上信五がMCの「月曜から夜ふかし」で発覚した、中国人女性インタビュー捏造問題。日本テレビの福田博之社長は3月31日の定例会見で「演出の範囲を超えており、あってはならないこと」と頭を下げた。問題の核心には「フリーランスの過酷な生存競争」があったという。放送作家が明かす。

「この問題の本質は、フリーディレクターが置かれた厳しい状況です。会社に属していないフリーランスは自分で仕事を取ってこないと、即座に収入がゼロになる。自分の腕だけで仕事を獲得しなければならないプレッシャーが、今回の暴走を招いたのです」

 それは3月24日放送の街頭インタビュー。中国出身の女性が、自宅マンションのバルコニーにカラスが飛んでくるということで、飛来してきた際にたまたま撮った写真を紹介。その上で、

「あんまり中国にカラス飛んでるのがいないですね。みんな食べてるから少ない。とにかく煮込んで食べて終わり」

 などと発言したように編集されていた。

 もちろん実際の取材では「中国人がカラスを食べる」という発言は一切なく、別の話を意図的に切り貼りして作り上げられた、完全なる「でっち上げ」だった。

 問題の編集を行ったのは、およそ1年半にわたり番組に関わっている、フリーの男性ディレクター。本人は「撮ったものをより面白くしたい」という自己判断で編集したという。前出の放送作家が、ディレクターの暴走を解説する。

「フリーディレクターにとって、担当企画の視聴率や反響は死活問題。『数字を取れなければ次の仕事はない』というプレッシャーは計り知れません。制作会社などに身を置いたり派遣されてきているディレクターならば失敗しても給料は出ますが、フリーは違う。おそらく番組にすでにいるプロデューサーやディレクターと個人的なつながりがあって、スタッフとして呼ばれたのでしょうが、こうした悪い噂はすぐに広まる。このディレクターに、仕事はもう来ないかもしれません」

 もちろん、だからといって許される行為ではないが、今後もこうした問題は起きると、この放送作家は予測する。

「テレビ業界では経費削減のため、フリーランススタッフへの依存度が年々高まっています。彼らは視聴率を取るためにリスクを冒しがちで、チェック体制が緩いと今回のような問題が起きるのです」

 テレビ業界の悲哀あふれる現場なのであった。

(石原康人)

全文を読む
カテゴリー:
タグ:
関連記事
SPECIAL
  • アサ芸チョイス

  • アサ芸チョイス
    社会
    2025年03月23日 05:55

    胃の調子が悪い─。食べすぎや飲みすぎ、ストレス、ウイルス感染など様々な原因が考えられるが、季節も大きく関係している。春は、朝から昼、昼から夜と1日の中の寒暖差が大きく変動するため胃腸の働きをコントロールしている自律神経のバランスが乱れやすく...

    記事全文を読む→
    社会
    2025年05月18日 05:55

    気候の変化が激しいこの時期は、「めまい」を発症しやすくなる。寒暖差だけでなく新年度で環境が変わったことにより、ストレスが増して、自律神経のバランスが乱れ、血管が収縮し、脳の血流が悪くなり、めまいを生じてしまうのだ。めまいは「目の前の景色がぐ...

    記事全文を読む→
    社会
    2025年05月25日 05:55

    急激な気温上昇で体がだるい、何となく気持ちが落ち込む─。もしかしたら「夏ウツ」かもしれない。ウツは季節を問わず1年を通して発症する。冬や春に発症する場合、過眠や過食を伴うことが多いが、夏ウツは不眠や食欲減退が現れることが特徴だ。加えて、不安...

    記事全文を読む→
    注目キーワード
    最新号 / アサヒ芸能関連リンク
    アサヒ芸能カバー画像
    週刊アサヒ芸能
    2025/6/24発売
    ■620円(税込)
    アーカイブ
    アサ芸プラス twitterへリンク