政治
Posted on 2018年04月03日 09:55

小池百合子の「花粉症ゼロ公約」は「やる気ゼロ」だった(2)「五輪で手が回らない」

2018年04月03日 09:55

 とはいえ「花粉の少ない森づくり」の事業開始からはや12年。その間、都知事も猪瀬直樹氏から舛添要一氏へ代わり、今回は「都民ファースト」をうたう小池氏が大々的に「花粉症ゼロ」を打ち出しただけに、都民の期待は大きかったのだが‥‥。小川氏が言う。

「東京都のスギの森林面積は約2万ヘクタール。スギの植え替えは毎年60ヘクタールのペースで進んでいるそうですが、300年以上かかる計算です。そのうえ、林業の人手不足や従業者の高齢化によってペースダウンは必至。花粉量を抑えるには林業を守り育てて、多摩産材をどんどん有効活用していくことが重要ですが、東京都では目立った補助政策を打ち出せていません」

 そこで、東京都花粉対策本部事務局に話を聞くと、

「スギの木の植え替えは、もともと民間で進められていた事業なのですが、収益的な問題もあり民間ではなかなか進まなかった。そこで東京都の政策として組み入れられたのですが、スギとはいえ、個人の所有物である以上、合意がないかぎり切れない。ただ、何もせず手をこまねいているだけでは絶対に進まないので、我々としては日々粛々と行っていくだけです」

 やはり都内のスギ伐採には「個人所有」という厚い壁があるようだ。

 そのうえ、スギ花粉は都内の山林だけではなく、都外からも飛来してくる。東京都は近隣の県や政令指定都市と「九都県市花粉発生源対策推進連絡会」を組織し、情報共有や伐採の計画などを共同で進めているが、それも目を引く成果は出ていないという。

 では現在、小池氏が特別顧問を務める「希望の党」は花粉症対策についてどう答えるのか。同党の公式サイトには現在も「希望への『道しるべ』」として「花粉症ゼロ」という文言が掲げられているが、事務局から送られたファックスには、「『花粉症ゼロ』は希望の党としての『選挙公約』との位置づけではなく、将来的に目指す方向性としてお示ししたものです」

 と、責任逃れとも取れる回答が記されていた。

 政治家にとって言葉は重い。その「公約」を信じて、多くの有権者が一票を投じたのは事実ではないか。

「(小池氏は)2年前の都知事選の際には檜原村を視察し、多摩格差の是正や林業の再興を訴えていましたが、『花粉症ゼロ』への関心は薄れているように見受けられます。豊洲移転や五輪の準備などで、そこまで手が回らないというのが実情ではないでしょうか」(前出・小川氏)

 第一生命経済研究所の調査によると、花粉症によって「外出を控える」といった個人消費の落ち込みは約7500億円。労働生産性の低下といった目に見えないダメージを含めれば、1兆円以上という試算もある。

 花粉症対策がこのまま「やる気ゼロ」で放置されないよう望むかぎりだ。

全文を読む
カテゴリー:
タグ:
関連記事
SPECIAL
  • アサ芸チョイス

  • アサ芸チョイス
    社会
    2026年09月14日 11:30

    AIは本当に人類を終わらせるのか。専門家のとある主張が世界を震撼させている。その「AI終末論」は、AI開発企業アンソロピックに勤めていた元研究員、ジェイコブ・コクソン氏によるもの。Xで「AI研究関係者の多くが、AIは今後10年以内に人類を破...

    記事全文を読む→
    カテゴリー:
    タグ:
    事件
    2026年09月16日 20:30

    「ゾンビたばこ」と呼ばれる指定薬物「エトミデート」は、広島カープに大きな衝撃を与えた忌まわしいブツだ。元広島カープの羽月隆太郎氏にこれを譲り渡したとして医薬品医療機器法違反の罪に問われた会社役員・滝口涼介被告の初公判が9月16日に広島地裁で...

    記事全文を読む→
    カテゴリー:
    社会
    2026年09月17日 07:15

    20世紀最大級のミステリーと言われてきた、イギリス・スコットランドのネス湖に生息するという未確認動物(UMA)の「ネッシー」に、再び熱い視線が注がれている。いったいなぜか。一時期は目撃情報が激減し、専門家からは死亡説や、人間の活動を警戒して...

    記事全文を読む→
    カテゴリー:
    タグ:
    注目キーワード
    最新号 / アサヒ芸能関連リンク
    アサヒ芸能カバー画像
    週刊アサヒ芸能
    2026/9/15発売
    ■650円(税込)
    アーカイブ
    アサ芸プラス twitterへリンク